森田石材店ブログ - 石のお話 -
石の紹介「K12」
2018年08月24日 08:00
仕入担当の森田です。
今日は石のご紹介をします。
「K12」という石です。
名称:G1704、G1716
産地:中国黒龍江省
見掛け比重:2.676g/c㎥
吸水率:0.073%
圧縮強度:118.46N/㎡
(日本石材産業協会発行の「墓石用石材規格カタログ」より)
色んな呼び名がある石
K12というのは通称です。名称のところにもあるように、いろんな場所からこの石は採れるため、色の濃さや目合によって付けられています。
黒龍江省の石もそれなりに歴史があります。はじめにK1とかK7と言われていた石は、昭和の後半から平成の頭に掛けて輸入されていました。
当時は原石での輸入も多く、黒点が多かったり、ブロックにより色違いが激しかったりで、とても作りにくい石と言われていました。
それから、様々な石が黒龍江省からは産出されておりますが、細かく分けるとあまりに種類が多くなるので、この手の石はK12で大体同等の品質の石が入るようになっています。
K3、K4、K9、K16・・・とか色々あるみたいなのですが、どれもK12より少し色が薄いだとか、目が流れている等、平たく言えばK12とは言い切れないとの感覚なのかなとも言えます。
品質やスペック
先ほど記載しております「見掛け比重」「吸水率」は、日本の銘石である天山石に非常に近い値になっております。見た目もよく似ており、非常に品質の高い石だといえます。
「圧縮強度」についても、大島石と同じぐらいです。なかなか優秀です。
見掛け比重:2.676g/c㎥
吸水率:0.073%
圧縮強度:118.46N/㎡
この石の問題点
品質もとてもよく、色も濃くて理想的な石のようにも思えるK12ですが、心配なこともあります。それは・・・
①色がさめる
②色違いが出る
③キズが出てくることがある
この問題の多くは、生産段階での不正やゴマカシです。薬品などを塗ってゴマカシていれば、私たち小売店は気づかずに建ててしまいます。
そして、後から問題が発覚した時には大変なことになります。
こんな理由から、弊社では1998年~2010年までの間、この石はお客様には一切おすすめしておりませんでした。
もちろん、お客様からご要望があった場合にはご提供はしておりました。
最近は、この様な不正がかなり減ったことと、工場を指定することで「おすすめ」することができるようになっております。
まとめ
本日はK12をご紹介しました。この石ほど、石屋さんによって千差万別な説明がなされている石はないと思います。
しかし、その説明はヒドイものも中にはあります。例えば、
「寒いところから採れるので良い石です」・・・何の根拠もありません。
「品質は一番いいです」・・・いい石は色々あります。
「◯◯大島です」・・・紛らわしいネーミングは詐欺です。
こんな説明をする石材店は要注意です。
先にも書きましたが、色違いやスジが出やすい石でもあり、とても難しい石ですが、キレイに揃うととても良質でいい石です。
ぜひ、信頼できる石材店からご購入ください。
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お墓はどこで加工するといいの③
2018年08月16日 08:00
仕入れ担当の森田です。
前々回は「世界の加工工場、中国」というお話と、「日本の石も中国加工」というお話、前回はそれをふまえて「中国加工と日本加工」の特徴についてお話しました。
今回は最近注目のインド加工、そして結論はどうすればいいのかについてお話しします。
インド加工の特徴
インドでも昔から石材加工はされているようです。しかし、船便に時間がかかることや、ロットが間に合わないこともあり、直接加工品が輸入されているケースは少ないのが現状です。
しかし、最近ではインド加工をメインにされている日本の商社もあり、そのメリットがだんだんと享受されるようになってきました。
インドの特徴は良質な石が豊富に採石されることです。代表的なものでは、
【白系】
アーバングレー、バングレー、銀河、リリー、カラハリ・・・
【赤系】
ニューインペリアルレッド
【緑~黒系】
M1、M6、M10、M13、M1H、YKD、TVK、MU、クンナム・・・・
本当にたくさんの石があり、品質もいいものが多いです。
加工費用は中国とさほど変わりません。しかし特筆すべきは研磨のクオリティーの高さです。特にインドでは黒系や緑系の石が多く産出されます。
これをインドで加工すると素晴らしい仕上がりで完成します。私もインド工場には行ったことがありませんので詳しくは分かりませんが、非常に真面目に各工程がなされているのだと思います。
しかしながら、便利になったとはいえ、完成までには3~6ヶ月必要となります。ですから、インドの石で早めに注文ができるものに関してはオススメと言えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?ここまで3回に渡って(長い!)中国、日本、インドの加工の違いについてお話してきました。
中国に関するデメリットも、信頼できる石材店にお願いすれば私が申し上げたことは理解の上で、いい工場から仕入れていると思います。また検品も十分にされているかと思います。そういったことを考慮しますと、結論としては、
日本の石=日本で加工。
一部、特殊な加工がある場合には中国加工も検討されるのがいいでしょう。ちなみに当社では、国内加工と中国加工を分けてご説明しますので、お好みをご注文していただけます。
外国の石=中国で加工。
インドの石=黒系、緑系は納期があればインド加工。中国加工でも可。
以上となります。
おまけ
加工精度の観点から今回は比較しましたが、私の個人的な意見から言えば、やっぱり日本の石は日本で加工してほしいと思っています。
そうしないと、日本からいい職人さんが消えていなくなります。ぜひ日本の良い技術を後世の残すためにも、日本の加工を応援したいと思っています。
弊社工場での加工風景
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お墓はどこで加工するといいの②
2018年08月08日 08:00
仕入れ担当の森田です。
前回は「世界の加工工場、中国」というお話と、「日本の石も中国加工」というお話をしました。今回は、中国加工と日本加工について、その特徴をお話したいと思います。
中国加工の特徴
中国で加工したものが本格的に日本へ輸入され始めたのは1990年代からです。
はじめのうちは、あまり加工が上手ではありませんでした。しかし、日本からの技術指導や旺盛な労働力で一気に成長します。
そして数年で製品の精度はみるみる上昇し、世界の加工工場として一定の地位を築きました。
中国加工のいいところは、短期間で製作し輸出するため納期が安定しています。また、複雑な加工もマンパワーで可能にしています。
同じことを日本でするととてつもなく費用がかかることも、しっかりとやってのけます。また世界中の石が揃っているため、あらゆるものに対応力は抜群です。
しかし、いいところばかりではありません。そんな中国加工も問題点があります。そのひとつがゴマカシです。
石に問題があった場合に不正に隠す「お化粧」と言われるもの。磨きにくいところを薬品などでカムフラージュしてしまうこともあります。また研磨の工程を飛ばして手を抜くこともあります。
こんなこともあり、中国の加工工場でも信用できるところと信用できないところがあります。
当然、信用出来ないところでは、今もこのような事がはびこっているのかもしれません。ですから、極端に安いものと言うのは信用できません。
建てるときは分からなかったゴマカシのあと。
(当社でもしあった場合は、すぐに取替えます)
日本加工の特徴
日本では、昔はどんな石材店でも原石を買って自社で製造していました。
今でも製造している石材店はありますが、その数はかなり少ないようです(当社でも一部製造しています)。
その代りに加工産地で加工するようになりました。有名なところでは、庵治(香川県)、北木(岡山県)、岡崎(愛知県)、真壁(茨城県)です。私たちの関西では、主に庵治か北木で加工することが多いです。
国内加工のいいところは、比較的納期が短いことです。運搬にも時間がかかりませんので、中国よりは加工時間は長いものの早くできます。
また、作っている人がお墓のことを知っている人なので、こちらとしても安心できます。そして何よりいいのは研磨の丁寧さです。
色合せが難しい庵治石は幾つもの中から選んで使う。
特に、研磨の工程は加工工場によりこだわりがあり、中国の工程にくらべてかなり時間を使っている工場が多いことです。
それによって、新品のときにはどこで作っても同じに見える墓石も、年数が経てばその違いはハッキリと出てきます。ここは最大のメリットです。
国内加工のデメリットとしては、中国に比較すると加工費用が少し高くなるところです。
とは言うものの、中国も近年人件費の上昇から少しずつ高くなっており、特殊な加工以外は価格の違いは少なくなってきました。
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お墓はどこで加工するといいの①
2018年07月31日 08:00
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能勢の石~自然石~
2018年05月21日 08:00
篠山店の眞下(ましも)です。
緑色の石
2018年05月20日 08:00
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苔がつくといいお地蔵様
2018年04月18日 08:00
仕入担当の森田です。
苔がついたお地蔵様はいいなあと思います。例えば、私が好きなのは、京都大原の三千院の庭にあるお地蔵様です。
こんな感じのもあります。
何と言いましても庭がいいです。
一面苔に覆われている庭に表面が叩かれたお地蔵様を数年置いておくと、キレイに苔がつくようになります。
そこで、今回はこんなお地蔵様を作ってみました。
ちょっと写真では分かりにくいですが、少し青味がある竜山石(青)をつかって作りました。
もちろん庵治の職人さんの作品です。
表面は程よくノミが入りいい仕上がりです。
これが苔の中に数年置かれていたら、きっといい味が出てくるでしょう。
大きさは約7寸(21cm)ぐらいです。
ちなみに竜山石とはどんな石かと言いますと・・・
高砂市で採れる石で、なんと1700年前から使われていた由緒正しい石なんです。
有名なのが「石の宝殿」といわれ、重さ500トンとされる石が浮いてます(浮いているように見えます)。
現在も松下石材店さんが採石されています。
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石の採掘場所(石切場)のお話
2018年03月22日 08:00
代表の森田です。
今から約40年前、日本の石の採掘場所は175産地あったそうです。
その中でも花崗岩が85産地でおよそ半分が花崗岩(みかげ石)といわれる石です。
現在は、外国産の石材輸入の増加と人件費の問題で半分以下に減少していると思われます。
さて、石の価格は安価なものから高額なものがありますが、私はすべての石が好きです。
それぞれの特徴(色合い・硬さ)があり、用途によってすべて生かされると思っていますので、良い石・悪い石の判別はありません。
ここで2つの石切場をご紹介します。
石の切り口が、きれいな石壁になっていて、かなり大きな原石が採れています。
通常の大きさで1.5m✕1.5m✕4m(重量は約20トン)
この様は石は、使える用途はたくさんあります。
墓石は勿論のこと、墓地を区画する石や記念碑・建築材など…どんな物でも使える万能な石だといえるでしょう。
やさとみかげ石と比べると壁面が四角くきれいな面になっておらず、切り口もガタガタです。
大きな材料として採掘するのはかなり難しく、墓石にできる石は約7%です。
大半は石積みの材料になったり庭灯籠になったりします。
ただ石を研磨した石目は世界中探してもないほど美しい模様が出ますので、希少価値の高いものとなっています。
食べ物に例えると「マグロの大トロ」や「牛肉のシャトーブリアン」に値するのかな?と思います。
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仙台石のお墓
2018年02月21日 00:08
こんにちは、篠山店の上山です。
このお墓は昭和23年に建立され、5年前に墓石の舞台を改築し最近に戒名彫刻をしたお墓です。棹石が仙台石です。
「仙台石」(井内石とも呼ばれています)名前の通り宮城県石巻市の井内地区で採掘される硬質な堆積岩です。
その歴史は古く、文永5年(1268年)に建てられた宮城県河北町の板碑に使われています。
特徴として、古いものでもほとんど風化作用を受けません。石材の角が欠けることもほとんどありません。
石碑には細かい文字が刻まれていることが多いですが、その文字も明瞭に読み取ることが出来ます。
そのため、古文書に匹敵するほどに資料性が高いと言われています。
記念碑などにはよく使われる石で、ご覧になられた方も多いと思います。
黒光りしない石で独特な木目のような縞模様があり、和風な色味です。
墓石では’至高の石とも称され、山形の文人である斉藤茂吉が「父のために」と墓標の石を求めにきたという逸話も残されています。
最近ではあまり使われなくなった石ですが、威風堂々としていて年月を重ねるとともに、より味わい深くなる石です。
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インドから来た自然石
2018年02月10日 08:00
篠山店の園中です。
毎日寒い日が続いてますね。
石種:M1-H
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