森田石材店ブログ - お墓のQ&A -
生前にお墓を建てるのは良い?悪い?
2021年03月02日 08:00

滝野店の河合です。
近年、亡くなった後遺族に迷惑をかけたくないという理由で元気なうちに「生前墓」を建てたいという人が増えています。
生前墓は仏教的に見ても、生きているうちに自分のお墓を用意するのはとても功徳のある事とされており、また、生前墓を建てることで長寿祈願をする意味合いもあります。
それ以外にも生前墓には様々なメリットがあります。
1.時間をかけて選ぶことができる
自分が病気になって具合が悪くなってしまうと、墓石を探すのは困難になってきてしまいます。
また、納骨に期限はないものの、一周忌や三周忌といった切りのいいタイミングで墓石を建立される方が多くいらっしゃいます。
しかし、日程が迫ってくると焦ってしまい、無難な墓石になってしまいがちになります。
生前墓には時間制限がないので、妥協することなくご自身が納得できるお墓を見つけることができます。
自由に選ぶことが可能
亡くなる前に周囲に自分の希望を伝えても、必ずしもそのとおりのお墓になるとは限りません。生きているうちに自分でお墓選びをすれば、デザインや石の種類まで自分の思いどおりのお墓に仕上げることが可能となります。
残された人たちの負担を軽減する
身内が亡くなった後、残された人達は片付けや遺品整理、法要準備などに追われてしまい、なかなか墓石にまで気が回りません。生前にお墓を建てておけば、残された人達の精神面だけではなく、金銭面でも負担を軽くすることができます。
2.生前墓を建てる際の注意点
自分の思いどおりのお墓が建てられる生前墓ですが、建てる際にはいくつかの注意点があります。
建てた後に、いい霊園や墓地が見つかることも
早めにお墓を建ててしまうと安心できる反面、建てた後に条件のいい霊園や墓地が見つかることがあります。何を条件に霊園や墓地を探すのか、家族とよく話し合い、お互いに納得できる生前墓を建てるようにしましょう。
生前墓を断られることも
全ての霊園・墓地が生前墓を受け付けているわけではありません。
特に公営墓地などでは、遺骨がないと受け付けてもらえない場合があります。
維持費も必要
納骨されていなくても、お墓を持つと管理費やメンテナンス費用、お布施などの費用が発生してきます。
都市部での墓地不足が加速している昨今、自分のお墓を確保したい気持ちは分かりますが、しっかりと頃合いを見て、お墓を建てるようにしましょう。
3.生前墓で相続税の負担軽減
生前墓を建てておくと、相続税の負担が軽くなることをご存じでしょうか。お墓は「非課税財産」となるので、相続税の課税対象から外れます。
また、お墓の購入は「使用権」となるので、「所有権」で発生する固定資産税や不動産取得税なども掛かることはありません。
逆に、相続人の方が「お墓」という形ではなく「現金」という形で財産を相続される場合は、相続した財産の分だけ相続税が課税されてしまいます。
また、相続された財産からお墓を建てる費用を出したとしても、相続した財産の分だけの税金が掛かってしまうので、やはり、相続税の課税対象外となる生前墓を建ててから相続手続きを行うと、相続される方の負担は軽くなると言えるでしょう。
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お墓に水をかけるのは良い?悪い?
2021年02月05日 08:00

12月からお世話になっている滝野店新規スタッフの河合です。
色々勉強中です。
今回は時々耳にすることがある『お墓に水をかけるのは良い?悪い?』についてお話したいと思います。
お墓にお水をかける意味について
餓鬼の喉の渇きを癒すため
仏教では、死後の世界の中の一つに「餓鬼道」というものがあります。
宗旨宗派にもよりますが仏教では人は亡くなられたあと、6つの世界を輪廻(りんね)すると言われてます。
その6つの世界の中の餓鬼界(がきかい)という世界にはお水がないため、ご先祖様が喉が渇いて苦しまれています。
仏教では水のことを閼伽(あか)と言って、あの世での飢えの苦しみから救う供物の意味がありますので、お水をかける事で、少しでも渇きから救う行為とされてます。
また、お墓にかける水は、墓の周辺をうろついている餓鬼(がき)への施しとも言われています。
餓鬼はつねに飢えており、普段は水を飲むこともできないのですが、お墓にかけられた水は飲むことができるといわれています。
仏教的にいいますと、墓石に水をかけるのは、そのような餓鬼にすら水をあげるという仏様の慈悲の心を象徴する行為といわれています。
墓石を浄めるため
お墓参りはご先祖様や故人への日頃の感謝の気持ちを込め、墓石やその周辺を綺麗に掃除します。
その際に、お水をかけることが墓石を浄める行為とされています。
お墓は普段、雨や雪などの悪天候にさらされ、日中は強い日差しを浴びることも少なくありません。
そんなお墓を故人そのものとして大切に扱う風習もあり、汚れてしまった墓石を水で綺麗にすることが供養の一つと考えられているのです。
また、ご先祖様の魂をお呼びするためにお墓に水をかけるという説もあります。
墓石に水をかけ、清めることが合図になり、ご先祖様の魂がお墓参りに来た人の前にあらわれるともいわれてます。
お墓にお水をかけない意味について
お墓そのものを故人として扱うと先述したように、墓石は建立した時に開眼供養(お性根入れ、お魂入れ)を行い、墓石に仏様の心(魂)を入れる法要を行いますので、その時点で墓石=故人そのものになります。
お墓にお水をかけることは同時に故人やご先祖様へお水をかけてしまうことにもなります。
そのため、「冷や水を浴びせる」行為として、ご先祖様への侮辱に値すると考えることもあります。
こういった場合は直接お水をかけるのではなく、濡らしたタオルなどで墓石を拭いて浄めるという習慣がある地域も。
また、体の汚れを落とす様に、タオルなどで優しく墓石を拭くことで、よりご先祖様や故人を側に感じられるためという理由もあります。
『お墓にお水をかける』行為と『お墓にお水をかけない』行為はそれぞれ、歴史や地域の習慣によって違います。
お寺にお世話になられているかたは、ご住職様にご相談されるといいかもしれません。
また、そのお家の代々の考え方もありますので、ご家族に相談されるのもいいでしょう。
どちらが正解というものはございません。
お墓を建ててそのまま放置するのではなく、お墓に行き、お墓を掃除してキレイな状態に保ち、ご先祖様や故人を思いながら、手を合わせる。という気持ちが大事なのではないでしょうか。
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改葬(お墓の引越し)に必要なもの
2021年01月15日 08:00

最近、「墓じまい」についてよく耳にします。このブログでも度々記事にあがります。当社へのご依頼やご相談もよく頂きます。しかし、この墓じまい、トラブルが多いのも事実です。
あるお客様は公営墓地を新たに契約し、引越しを考えておられましたが親族の猛反対にあい、改葬(お墓の引越し)が出来なくなりました。しかし公営墓地の規約に「契約後3年以内に墓石の建立」とあり、頭を悩まされています。まさに「親族との話し合いが不十分」の典型例ではないでしょうか。
また以前私も記事にあげましたが、墓守をしたりお墓参りをするのはご当家だけではありません。親族の方や、友人・知人もお参りをさることはあります。お墓参りをしたとき、お墓がなくなっている時のショックといったらはかり知れないものがあります。
次にトラブルの原因として挙げられるのが、「引越し先が不明瞭」です。
「お墓参り(墓守)も大変だし、最近よくTVでもやってるし、うちも墓じまいしようかな…。」と安易に考えられてご依頼されることがあります。
「改葬先はお決まりですか?」と聞くと「墓石を撤去するだけではないの?」と言われる事もあります。
多くの方は「もう何年も前に納骨したので骨は残っていない」と思われています。
しかし、そのお墓の土壌によってもご遺骨の保存状態は違います。
また納骨の方法によっても違います。
例えば骨壺のまま納骨されていれば当然ご遺骨は残ります。
現在の墓石の多くはご遺骨の確認は容易に出来ますが、中には墓石の撤去後でないと確認できないものもあります。
中には「自宅の庭に埋めといたらいいんじゃないの?」と言われた事もあります。
これは「墓地、埋葬等に関する法律」(墓地埋葬法、ないし、墓埋法(ぼまいほう)などと略されて呼ばれることも多い法律です)で禁じられています。
ですので、あらかじめご遺骨の安置先は決めておくことが大事です。
次に引越し先が決まっていても意外と忘れがちなのが「改葬許可書」です。
こちらも墓埋法5条1項により、改葬、墓じまいを行うためには、市区町村長の許可が必要であると定められています。この、改葬を行うための市区町村長の許可、墓じまいを行うための市区町村長の許可のことを、改葬許可と呼びます。今お墓がある役所にて「改葬許可申請」を行ってください。
書式や添付書類など自治体によって違いますので各自治体に問い合わせるかホームページをご覧ください。
また、この改葬許可書とは別に改葬先(永代供養等納骨堂も含め)に必要な提出書類も必ずご確認ください。
最後に費用です。
上記の点が解決し、現地を確認させて頂いた上でお見積りさせていただきます。ただ墓地の返還方法によってこの金額も大幅に変わってきます。
墓石のみ撤去すればいい墓地もあれば、更地に戻さないといけない墓地、土の入れ替えをしないといけない墓地や、コンクリートを打設しないといけない墓地等…。墓地によって条件は全く異なります。
中には土の入れ替えを深さ1mまでしないといけない墓地もありました。こうなると費用もぐっとかさみます。
墓地を管理されているところ(管理事務所や自治会長、墓地管理委員会など)で必ずご確認ください。親族だけの墓地であれば親族とよく話し合ってください。
以上の点を踏まえようやく改葬ができるようなります。是非参考にしてください。
土に還るために~骨袋のお話~
2020年09月29日 08:00

本店の義積です。
先日の休みに多可町中区間子まで撮影に出かけました。彼岸花といえば赤色ですが、そこには白色や黄色の彼岸花が咲いていました。今の季節しか見れない風景を楽しんできました(*´ω`)。
さて今日は納骨の時に欠かせない「骨袋(こつぶくろ)」のお話です。
人が亡くなると、お墓にお骨を納めます。関東ではお骨拾いの時に全骨拾う事が多いのですが、関西は一部のみ拾います。そして骨壷から骨袋にお骨を入替え、お墓の「カロート(納骨堂)」と呼ばれる空間に納めます。これが「納骨」です。
このカロート部分は和墓でしたら、お墓の真下あたりにあります。水鉢と呼ばれる石を倒すと、カロートが見えます。底には土がそのまま残されており、お骨はここで長い年月をかけて土に還っていきます。
お骨を入れる骨袋は、宗派によって入れる種類が決まります。
「南無阿弥陀仏」が入ったものは、浄土真宗本願寺派、真宗大谷派。
「般若心経」が入ったものは、天台宗、真言宗、曹洞宗、臨済宗。
「無地」日蓮宗。
特にお骨で重要な骨は「のど仏」と言われています。
男性の「のど仏」は軟骨なので実際には残りません。実際には第二頸椎がそれにあたります。形は不思議な形ですが、見ようによっては座禅を組んで手を合わせている仏様の形とも言われています。荼毘に付された後も故人様の体に仏様が残ると思うと、そばで見守ってくれているような気がしますね。
大切な人亡くした後、様々な気持ちになりますが、納骨をすることで気持ちの整理がひとつできるような気がします。
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お墓の展示場
見学会
6月13日(土)~21日(日)
9月19日(土)~27日(日)
11月14日(土)~23日(月祝)
2021年1月16日(土)~24日(日)
3月20日(土)~28日(日)
6月12日(土)~20日(日)


