森田石材店ブログ - ちょっと考えてみました -
お線香の話
2022年06月08日 09:00
以前、このブログでも入荷のお知らせをしました、この変わり種のお線香。
当店で販売しているもの以外にも、最近はとにかく色んな香りのお線香が発売されています。「こんな匂いのお線香があるの?」と驚くこともしばしば。
私が今一番気になっているのは奥野晴明堂さんの松茸の香りのお線香です。
こういった変化球なお線香を見ていてふと思ったのが、例えばアイスクリームやチョコレートだと乳固形分や脂肪分の割合などによって呼び方の定義があります。
「線香」にも何かそういった定義やランク付け(線香と準線香のような…)があるのか、と気になりました。
まず、お線香は杉線香と匂い線香に分けられます。
杉線香というのは、杉の葉を乾燥させて粉にしたものを練って作られたお線香です。
杉の粉を水だけで練ったものや糊粉が混ざっているものがあります。
基本的に香料はいれないので、自然な杉の香りがします。
特長としては煙がたくさん出るので主にお墓参りでの使用がおすすめです。
我が家は、いつも仏壇で使用している線香を適当に持って行くのであまり煙が出ず「これ、火ついてる?大丈夫?」というやりとりをよくやります。
お墓に眠るおじいちゃん・おばあちゃんも毎回「大丈夫?」と思っているかもしれません。
次のお墓参りには一度杉線香を持って行き、派手に煙を出したいと思います。
因みに、杉といっても使用しているのは「葉」なので花粉症の症状が出る事はありません。ご安心ください。
次に、匂い線香は椨(タブ)という木の樹皮を乾燥させて粉末にしたものを粘結材として使用しています。
そこに白檀や伽羅などの香木や香料を調合して香りが付けられます。
高級なお線香というのは椨が少なく香料がたくさん使われている=匂いが強いということです。
椨そのものは香りが少なく、香料の邪魔をしないと言うのがメリットです。また煙も少なめですので、お部屋での使用に適しています。
**************************************
お線香の定義を検索してみた限りでは、この二種類があるということしか出てきませんでした。
つまりは、お線香は全てお線香ということですね。
【カテゴリ】
立花隆さんのお墓
2022年05月25日 08:00

仕入れ担当の森田です。
今日はちょっと難しいテーマということで、立花隆さんを肴に書こうと思います。
作家の立花隆さんがお亡くなりになって早一年になります。
3万冊読み100冊書いた「知の巨人」と称された人は色んなものに興味が尽きなかったそうです。
その立花さんがテーマに選んだもののひとつに臨死体験があります。
人は死ぬときにどんな体験をするのか、あの世は存在するのか。
正解は誰もわからないのですが、世にいわれている臨死体験は死ぬ間際に脳が見せる作用で、そしてあの世も存在しないと立花さんは結論付けられています。
立花さんは自分の死に際して
「死んだらゴミと同じ。だから、戒名も要らない、葬式もしない、お墓も位牌も要らない」
と家族や周囲には伝えていたそうです。
私のような仕事をしていますと、このようなコメントは甚だ悲しいと感じてしまいます。
(写真上)「葬式無用、戒名不要」と遺言に書いた白洲次郎さんのお墓です。
著書「死はこわくない」の中に元検事総長の話が出てきます。
彼は病床で
「死んだらゴミと同じ。あの世もなく意識も残らないだろう」
と奧さんに言います。
この時、奧さんは
「あなたのような冷たい考え方はイヤよ。死んでからも残された私たちを見守ってくれなくてはイヤです」
と返します。
この奥さんの気持はすごく自然で、多くの方がこのように感じられるのではないでしょうか。
これはとても死についてよく表している会話だと思います。
本人はこれでいいと言う。
見送る側はそれはイヤだと言う。
死んだ人がゴミと同じなら、ゴミとして死後のことを主張するのは少し変な気がします。
ゴミでないなら、その主張は聞いてもいい様な気がします。
ご主人をゴミの様に捨てるのは奥さんの自由で、何かしらの弔いをするのも奥さんの自由です。
結局、死とは本人ではなく弔う側に委ねられているものだということになります。
先日、NHKで立花隆さん没後1年の番組がありました。
ご覧になった方も多いと思います。
この番組の最後に立花隆さんの遺骨は樹木葬に眠っていると出てきます。
昨今の樹木葬は、ほぼ小ぶりなお墓です。
ご家族がこの件については故人の言い分を守らずゴミとして扱われていないことにホッとしました。
昔は死んだらどうしてほしいとは言いませんでした。
あとのことは子供に任せるのが当たり前だったからです。
それがここ数年に流行った終活で少し大人がおせっかいになってしまったのかもしれません。
死んだ後どうしてほしいと伝えるのは、残された人を一人前と見なしてないようで、実はとてもおこがましいことなのかもしれません。
あとのことはあとの者に安心して任せてみませんか。
【カテゴリ】
忠魂碑
2022年04月12日 08:00

こんにちは、篠山店の上山です。
桜の花もそろそろ終わりに近づき寂しい気がしますが散り際の今が一番きれいですね。
明後日からお天気が悪くなるようなので今日、明日が最後の見納めですね。
話は全然変わりますが、無住の寺墓地で見かけた忠魂碑です。
かなり大きいですが、ひっそりと佇んでいます。
地元出身の陸軍軍人(元陸軍大将)であった本庄繁の揮毫の碑で昭和9年の建立です。
その時代は戦争を大義とする忠義心を高める目的があったのかもしれませんね。
忠魂碑であれ慰霊碑であれ思想の違いはあったのかもしれませんが、今となっては戦死された方々を弔う碑であることには変わらないと思います。
その時代の彫刻なのでもちろん手彫りで作り上げられた碑で、かなりの労力が必要であったと思われます。
今、世界ではロシアがウクライナに軍事侵攻を続けており毎日のように尊い命が無残にも奪われています。
強者が弱者を一方的に攻める、いつの時代になったら人間は学習するのでしょうか。
一刻も早いウクライナの平和を願います。
【カテゴリ】
お供えの花の意味
2022年04月06日 08:00

滝野店の河合です。温かくなってきましたね。
皆さん、お彼岸でお墓参りされた方が多いと思います。
お墓参りや仏壇にお花をお供えされますが、どういった意味があるのか、どのような花が適しているのか気になったので調べてみました。
お墓や仏壇にお供えするお花は「仏花」あるいは「供花」と呼び、このお花はお墓にやどる仏様を綺麗に彩るという意味があります。
また、それだけでなく美しい姿のお花もやがて枯れていくという命の尊さを知る意味も込められています。さらに、お供えする人の心を穏やかにし、仏道への信心を養うという目的もあるようです。
ちょっと内容を深掘りしていきます。
仏花を供える意味は主に2つあります。1つ目は、「故人を想う気持ちを花で表す」というもの。故人が好きだった花や、故人へ伝えたい花言葉の花などを供えて手を合わせると、故人との思い出が蘇ってきたり、故人と会話をしているような気持ちになります。
2つ目の意味は、「仏様を敬い、修行の誓いを立てる」というものです。花は厳しい環境でも生き抜く植物の進化の形として知られています。辛い環境でも耐えて花を咲かせる姿が、仏様に誓いを立てながら修行をする人間の姿を彷彿とさせることから、このように考えられるようになったと言います。
花を供えるようになった由来は、お釈迦様に関係しているとされています。お釈迦様が前世で修業している最中に仏様に会い、お花を供えたという逸話があります。この出来事がきっかけで、お墓や仏壇などに眠る仏様に向けてお花を供える習慣ができたと伝えられています。
お供えの花を選ぶときは最低限のマナーを守る必要があります。日持ち・色・トゲや毒の有無・香りの強さなど、選び方と注意点を項目別にお伝えします。
・長持ちする花を選ぶ
すぐに枯れてしまう花は、仏壇に飾る仏花にはふさわしくありません。仏花は長持ちするものがベストです。仏花の代表格として有名な菊の花は、長持ちする上に季節に関係なく手に入るため、よく選ばれています。
長持ちする花は、ピンポン菊やトルコキキョウ、カーネーションなど。これらは葬儀・告別式の場でも使用されています。ちなみに、長持ちはするものの、枯れていて死や殺生を連想させるドライフラワーは仏花に適しません。
・色で選ぶ
仏花の色は、中国の五行説に当てはまる色など所説謂れがあるようですが、「六金色(ろっこんじき)」または「五色(ごしき)」で選ぶものと言われています。
色の内容は六金色:「青」「黄」「赤」「白」「淡紅(樺色=かばいろ、または、橙)」に「5色の混合色(輝き)」を足した6色、または、五色:「青」「黄」「赤」「白」「黒(紫)」です。
四十九日までは白や淡い色の花だけを供え、己の心を明るくする忌明け(きあけ)から明るい色を供えはじめるのも良さそうです。
・棘や毒、香の強い花は避ける
仏壇に飾る花として適さないのは、トゲや毒がある、香りが強い、枯れるのが早いものです。
トゲのある花として有名なバラやアザミなどは、トゲが殺生を連想させるため仏花には適しません。彼岸花やチューリップなどの毒がある花は、仏に毒を供えることになるのでNGです。
ユリのような香りが強い花は、お線香などの香りを妨げてしまうことから、仏花としては使用しない方が良いと考えられています。仏花は長持ちするものがベストですので、すぐに枯れてしまうサザンカや椿などは避けます。
・棘のある花は工夫次第で飾れる
バラやアザミはトゲがあるため仏花に向かないとはいえ、多くの人から愛されている花です。故人がトゲのある花を愛していた場合は、トゲをすべて取り除いてから仏壇に飾るといいでしょう。トゲのないバラを飾る方法もあります。
他にも、花瓶に挿したバラをリビングや玄関などに飾り、視界に入ったときに故人を想うことも、1つの供養方法と言えます。
仏花を飾ることは仏教的にも重要な意味を持ちますが、ご先祖様や家族への想いを表すことが最大の目的です。選び方や飾り方を押さえた上で、故人が好きだった花や、思い出のある花を飾ってくださいね。
【カテゴリ】
今月は春のお彼岸です!
2022年03月04日 08:00

本店 山崎です。
3月に入って少し寒さも和らいできましたね。
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、彼岸がくると季節の変わり目を感じますね。
そして、彼岸=お墓参りへ行く日と考えられる方も少なくないと思います。
一般的にお彼岸は春分の日の前後3日を合わせた7日間のことです。祝日法により、春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」。
秋分の日は「先祖をうやまい、亡くなった人々をしのぶ日」と定められています。
また春分の日と秋分の日は昼と夜の長さがほとんど同じで、太陽が真西の方角に沈みます。仏教の考え方では、西にあの世が存在する場所があるとされています。
そのため、春分の日と秋分の日は、あの世と最も距離が近くなる日と考えられました。ですから、自然とお墓へ参るという行為が行われるようになったのでしょうね。
お彼岸のお供え物は、これも皆さんご存知でしょうが、春は「ぼたもち」秋は「おはぎ」を供える事が一般的です。
ぼたもちもおはぎも、実は同じものですが、季節によって「牡丹」と「萩」にちなんで名付けられています。
【カテゴリ】
そして、これからも永遠に。
2022年02月18日 08:00

こんにちは、篠山店の上山です。
一年でいちばん寒いこの時期の昨日と今日は柏原の厄神さんですね。
私事ですが、今年は本厄なので念入りにご祈祷して貰わなければ。
さて、先日墓地でお客様に出会いました。
2年前にお墓づくりのお手伝いをした奥様で久しぶりにお話しました。
墓地にはいつも新しいなお花が供えてあり、お掃除してあるのは見ていましたが、毎週欠かさずお参りに来られているとのことでした。
「早いものでこの前3回忌法要終ました。でもまだ主人が亡くなった様に思えなくって、今でも一緒に居る感覚です。だからお天気の良い日は『お父さん、お墓参り行きましょうか』って一緒に来るんですよ」
「結婚して50年も連れ添ったら、元は他人とはいえ血の繋がり以上のものになるんですね。自分の親より長く居るんですから」
「森田さんにお世話になって納骨の時に開けて貰った所、重たいけれど空けてお骨と話しています。いっぱい話することあるから。それで帰る時には『お父さん、そろそろ帰りましょうか』って一緒に車に乗って帰るんです。変でしょ(笑)」
寒い日でしたがお話伺っていると何だかほんわかしてきていい気分になりました。
私はご主人にはお出会いした事は無いですが、とても仲の良いご夫婦だったと思います。
そして、これからも永遠に。
今日は休暇とって厄神さん行ってきます。
【カテゴリ】
産地証明書というものがあります。
2022年02月01日 08:00

仕入れ担当の森田です。
石は一般の方には見分けがつきにくいものです。
サンプル石や展示場でこの石で作りますよと言われても、本当にその石で自分のお墓が建てられているかは分かりません。
そんな時に「産地証明書」というものがあります。
産地証明書とは
産地証明書はこの石がどこで採石されたものかを証明してくれるものです。
その石のランクや等級を表すものではありません。
日本石材産業協会が発行の産地証明書は、専用の用紙は採掘元にしか送られません。
採掘元でない人が簡単に入手できないようになっています。
但し、日本石材産業協会の会員にしか発行できませんので、会員でない採掘元は日本石材産業協会の産地証明書は発行することができません。
↑こちらは日本石材産業協会の産地証明書
事前に話をしておきましょう
以前、あるお客様から「日本石材産業協会の産地証明書でないと信用しません」と言われたことがあります。
すでに商品は加工が終わっていましたが、たまたま会員の方の石でしたので産地証明書を発行することができました。
もし協会員の方の石でなかったら、産地証明書は発行できませんでした。
その場合、その石は偽物だと言われかねません。
実際には本物なのに、とても理不尽な話になってしまいます。
↑伊達冠石の採掘元が発行する産地証明書。
(ちなみに大蔵山スタジオさんは日本石材産業協会も発行可能です)
品質よりも証明書優先?
こんなトラブルを防ぐためにも、注文する段階で産地証明書が必要かどうかを確認する必要があります。
石は自然のものですから、同じようでも今いい石が出ている方を選びます。
産地証明書が必要な場合は、いい石よりも採掘元を優先します。
そう考えると、産地証明書も良し悪しのところがあります。
本当に大切なのは石材店の信用
産地証明書は日本石材産業協会が発行しているものの他に、産地の組合など独自で発行されているもの、採掘元が発行しているものなどがあります。
産地証明書は大切なものですが、その前に信用できる石材店かどうかが大事です。
本当に信用できる石材店であればそんな証明書は不要なはずです。
信用できる石材店でいろいろ相談してみてください。
きっとあなたの疑問や不明瞭な点に答えてくれると思いますよ。
【カテゴリ】
お墓は悪者?
2022年01月31日 08:00

こんにちは、篠山店の上山です。
早いもので1月も最終日になりました。
1月は行く、2月は逃げる、3月は去ると言われるように、気が付けば「もう3月も終わり」なんてことの無いように日々を有意義に過ごしましょう。逆に4月は死ぬほど長いですよ。
さて、以前と言っても大分前の話ですが、あるお客様の寿陵墓(生前に建てる墓)を建てました、ご夫婦と娘様の3人家族で「皆が元気なうちに建てようかと思って」というお話で色々悩まれましたが決められました。
それから数年後、奥様から「主人が亡くなった」と言う連絡がありました。
お伺いしてのお話では「急でした、こんなに早く逝ってしまうなんて」「でもあの時、思い切ってお墓建てておいて良かったです、森田さんに背中押して貰って建てて本当に良かった」「もし、まだお墓建てて無かったら私と娘の二人だけではとてもじゃないけど冷静にお墓のことは考えるのは無理でした」「主人も安心して逝ったと思う」
私は奥様から後悔の言葉の一つでも受ける覚悟でいましたが逆でした。
「生前にお墓作ると引っ張られて早く亡くなるから」「縁起が悪い」よく聞く言葉ですが迷信です。迷信ですが気にする人は居られます。
何か不幸があった時にはお墓に結び付ける。お墓が悪者にされないことを願います。
【カテゴリ】
雪を被ったお地蔵さま
2022年01月28日 08:00
本店義積です。
両親が眠る墓地に行きました。
例年にない積雪量で、墓地は一面の銀世界でした。
雪を被ったお地蔵様を見て、昔読んだ童話の「笠地蔵」を思い出しました。
童話のおじいさんのように私もお地蔵様の雪を除けました。
墓地の入口では、よく六体のお地蔵様を見かけます。
これは、天界、人間、修羅(しゅら)、畜生、餓鬼(がき)、地獄の六道それぞれの世界で苦しむ人々を救うためにあります。
また、死者の世界と生者の世界の境界にあり、ちょうど道祖神などの役目をしています。
村のはずれにある道祖神は村に悪いものが入ってこないように防ぐため、また村の外に出るときは旅先の安全のために作られました。
六地蔵様は、生きている世界と亡くなった世界の境界に立ち、あの世に旅立つ人の安全を祈る道祖神であり、死者が迷ってこの世に帰ってこないための「賽(さい)の神」だそうです。
また、お地蔵様は旅する者の安全を見守り、様々な悲しみから救ってくださいます。
私はお墓に行くと必ず六地蔵様にいつもお参りします。
皆様も、お地蔵様をみかけたら是非お地蔵様にも手を合わせてくださいね。
【カテゴリ】
花祭り
2022年01月24日 08:00

滝野店の河合です。
寒さが増してきてますね。皆さん風邪など引かれてませんか?
さて、クリスマスは知っていても、4月8日の花祭りを知らないという方も割と多いでしょう。
私も最初「花祭りって何ぞいな??」でした。その後なんとなーく内容は知ったものの、中途半端やったので今回改めて調べてみました。(まだ1月やのに4月の行事の話ですいません。)
花祭りとは、仏教を開いたお釈迦様の誕生を祝う行事で、一般的には4月8日に寺院で行われています。
お釈迦様は紀元前5世紀頃の4月8日に、現在のネパールのルンビニの花園で誕生したといわれており、寺院ではたくさんの花で飾った花御堂(はなみどう)を作って祝うことから、花祭りと呼ばれるようになりました。
他にも、灌仏会(かんぶつえ)、仏生会(ぶっしょうえ)、降誕会(こうたんえ)などの呼び名があります。
寺院では法要が営まれ、花御堂に安置された誕生仏に甘茶をかけたり、甘茶を飲んだりします。
仏教系の保育園や幼稚園では稚児行列を行うところもあり、とても和やかな雰囲気やそうです。また、自宅で花を飾ったり甘茶を飲んだりしながら楽しむ方もいます。
花祭りならではの豆知識を少しご紹介します。
花御堂の誕生仏に甘茶をかけてお祝いする。
これは、お釈迦様が生まれた時に九頭の龍が現れ、頭から香湯(甘露の雨)を注いだという伝承に由来します。
奈良時代には行われていたようですが、当時は香水と呼ばれる水をかけていました。江戸時代に甘茶をかける習慣が広まったといわれています。
甘茶の風習
寺院では甘茶を配布する場合が多く、これを飲むと無病息災で過ごせる、目につけると目が良くなるなどといわれてきました。
また、甘茶で墨をすり「千早振る卯月八日は吉日よ、神下げ虫を成敗ぞする」と書いて門口や柱の逆さまに貼り、害虫よけのおまじないにする風習もあります。カメムシにも効くのかな・・
花祭りの食べ物・行事食
花祭りの食べものといえば、甘茶です。前述の通り、お釈迦様誕生の話に関係しており、飲むと無病息災でいられるそう。
甘茶というのは、ユキノシタ科のアマチャの葉を蒸して揉み、乾燥させて煎じたお茶で、ほんのりとした甘みがあり、漢方薬としても使われています。
寺院で配布もされますが、市販されているので自宅でも楽しめます。
因みに甘茶は甜茶(てんちゃ)の分類に入ります。甜茶とは、中国茶の中で植物学上の茶とは異なる木の葉から作られた甘いお茶の総称で、古くからある薬草茶の一つ。
花粉症に効く?とかで日本でよく市販されているのは バラ科キイチゴ属のテンヨウケンコウシ(甜葉懸鈎子)が多いです。
パッケージに書いてあるので興味ある方は飲み比べてみるのもいいですね。あと、抹茶の原料である碾茶(てんちゃ)は別の物です。
また、花祭りには、精進料理や旬の食材が好まれます。
なかでも、地上に出たばかりのタケノコは土の中から天に向かって真っすぐ伸びる姿が誕生仏に似ていることから、別名・仏影蔬(ぶつえいそ)と呼ばれ、尊ばれています。
ちなみに、漢字で「笋」と書いて、タケノコの新芽を表します。
他にも、サヤの先が天に向かって伸びる空豆(別名・仏豆)、「天上天下唯我独尊」に通じる独活(うど)などが用いられます。
今年もコロナウイルスの影響で各地花まつりのイベントが自粛のことろもありますが、自宅でも仏壇に花を飾ったり甘茶を飲んだりと楽しんでみてはいかかでしょうか?
【カテゴリ】