森田石材店ブログ - お客様とお墓づくり -

中村 淳
中村 淳

滝野店の中村です。

今回お世話になったお客様は夫婦墓を建立されました。

当初国産石材での墓石建立を検討されていましたが、ご予算の都合上かないませんでした。

しかし、

「墓石本体は外国産でも、直接ご遺骨を収める部分の納骨堂(カロート)を国産にされてはいかがでしょうか?」

という私の提案に賛同いただき、納骨堂を国産石材に致しました。

納骨堂に採用した石は「竜山石」という石です。

竜山石は地元兵庫県の高砂市(宝殿)で採掘される石です。

この石、実は1700年前から石の棺として使われている日本で最も歴史のある石です。

古墳時代には権力者の石の棺のほとんどにこの石が使われた為、「大王の石」とも呼ばれています。

私の住んでいる丹波篠山市の雲部車塚古墳の石棺もこの竜山石が使われています。

竜山石の特徴は、均質で粘りがあり、細かい加工が可能です。耐火性に富み、風化しにくい石です。

石色も青色・黄色・赤色(希少)の3色があり、水磨きをする事でやさしい肌ざわりを得ることができます。

今回制作した竜山石の納骨堂(カロート)がこちらです。

温かみのある黄色を採用しました。

納骨堂(カロート)は地中にある為、見た目では全く分からないですが、是非こだわって欲しいところです。

大昔の灯籠を移設

2020年08月17日 08:00

森田 茂樹
森田 茂樹

代表の森田です。

今回は灯籠(五重塔)を静岡県から丹波に引っ越しです。

灯籠といってもかなり昔のもので、製作時期は不明ですが加工・細工などから考えると鎌倉・室町時代頃のものかと思います。

当然傷みもかなりあるので、一番苦労したのが解体です。繋ぎ目をセメントで固定してあったので慎重にノミを使って外しました。

外すとパーツごとにサラシで巻いて傷つけないように荷造りをして持ち帰りました。

次に工場で仮組みをします。

改めて組み直すとかなり歪んだ形で組まれていたので、修繕をしました。

付着しているセメント部分を「コンプレッサーノミ」で剥がし、1パーツごとに重なる部分を「ガタつき」が無いようにノミで削りながら、修繕をしました。

お客様の玄関先に設置。

なんとも自然な趣きになりました。

年月の経った「石の汚れ・苔」は最高に美しいですね。

石の紹介「庵治石中目」

2020年07月31日 08:00

森田 浩介
森田 浩介

仕入れ担当の森田です。

本日の石の説明は「庵治石中目」です。

お客様とお話していると、庵治(あじ)は聞いたことがあるという方は多いです。やはり関西では大島石と並ぶメジャーな石です。

庵治石は大きく分けると細目、中細目、中目があります。高価なことで有名な庵治石ですが、そんな中で比較的お手頃なのが、この「中目」なのです。

ではまず物性データからご紹介します。

名称:庵治石中目
採石地:香川県高松市
見掛け比重:2.67t/m3
吸水率:0.200%
圧縮強度:167N/mm2
岩石分類:花崗岩

庵治石中目は有名すぎる「細目」の影に隠れて地味に感じますが、とても落ち着いたいい石です。色目は少し青みがある淡い感じが特徴です。石そのものは非常に硬く、ノミ切り仕上げの五輪塔などを見ても、その硬さが伺えます。硬さを表すモース硬度というものがあるらしいのですが、そのモース硬度は「7」。これは細目と同じなのだそうです。

先日、展示品で久々に新しい中目が本店に入荷しました。現在の展示品はお客様のもとへ行き、これと入れ替えになります。新しい中目もぜひご覧ください。

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山崎 倫子
山崎 倫子

本店 山崎です。

あっという間に今年も、もう既に半年が過ぎてしまいました!月日がたつのは早い!!

残り半年も有意義に過ごせるといいですね。

さて、今回も滝野店に入荷した商品のご紹介です。

それが、こちら!!

吉林白という石で作成した8寸角の石塔です。

この石塔のお勧めしたい点は、コストを抑えているにも関わらず、「信頼棺」仕上げになっているという点です。

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私がこだわったお墓づくり

2020年06月15日 08:00

森田 茂樹
森田 茂樹

代表の森田です。

やっと念願の我が家のお墓が完成しました。

当然ながら、私もお墓づくりの当事者になるのは初めての体験です。仕事上、あれもこれもと考えがちですが、自分なりに反映したいことを考え、今回のお墓づくりとなりました。私の個人的な「こだわり」をいくつかご紹介します。

こだわり1.小さなお墓にしたい。

長年いろんなお墓を見てきました。その中でも昔ながらの夫婦の戒名が刻まれた小さなお墓が好きだったので、父が建てた五輪塔と祖父母のお墓を小さく再加工しました。

再加工することで、43年前の墓石が新品同様になりました。

加工前

(加工前)

加工後

(加工後)

こだわり2.蓮の花を付けたい

お墓自体がシンプルなので、蓮華加工をしました。蓮華には上蓮華と下蓮華(伏蓮華・逆蓮華ともいいます)があるのですが、あまり派手になるのが好きではないので、下蓮華のみを付けることにました。これも、今までの石を加工しました。

こだわり3.つながない一本物の延石

石の種類によって長尺物が採れる石があります。長尺といっても通常は3~4mが最長とされています。しかし、最近調子がいい中国の吉林省から採石される吉林白という石は結構長いものが採れると聞き、ダメ元で聞いてみたところ、「4.7mの一本物が採れる」ということで、この延石を仕入れました。

吉林白は石目もきれいでオススメです。

こだわり4.写経を入れました。

これだけは、どうしてもやりたかったのが「写経」です。今まで多くのお客様に「写経」を勧めてまいりましたが、当然、自分の時もやりたいと思っていましたし、これをすることでお墓へ感情を注ぐような気持ちになります。

そして家族みんなの写経を納めました。生前父が書いていたものも見つかったので、それも一緒に納めました。

写経に一番ハマっていたのは長女でした。「めっちゃ楽しかったもっと書きたい」と言ってました。また東京にいる長男がちゃんと写経を書いて送ってくるか心配しておりましたが、納骨日ギリギリに到着!!

家族全員で作ったお墓になったと思います。

これはお墓の中にあった43年前の写経です。私が中1の時に書いたものも入っています。

納経した様子です。

ようやくお墓が完成して私はホッとしていますが、母はお骨がお墓に入ってしまったので寂しい様子です。

before

after

山崎 倫子
山崎 倫子

本店 山崎です。

今回も滝野店の展示品の紹介です。この度、新しく入荷したのがこちら・・・

「万成石」の石塔です。

岡山県産の石で、通称「桜みかげ」と呼ばれるようにピンクの色目の石です。

淡い色なので、柔らかい石質のように見えますが、実はとても硬い石です。この石は、著名人のお墓にも多く使用されています。

例えば、イサム・ノグチ、石原裕次郎、小渕恵三などなど・・・

また建築物などにも使用されています。

記念碑や洋墓にもよく似合う石ですが、今回は和墓の石塔を入荷しました。

弊社では、和墓はグレー系のものが多いのですが、違ったイメージを持って頂けるのではないかなと思います(^^)

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石の紹介「カラハリ」

2020年03月23日 08:00

森田 浩介
森田 浩介

仕入れ担当の森田です。

本日紹介する石はコチラ↓↓↓

カラハリサンプル

カラハリという石です。

 

どんな石?

原産はインドで古くから原石で日本に入っていました。上の写真をご覧になると一目瞭然ですが、色も深く少し青みがあり、とても目が細い良質な石です。
写真は幅15X高10cmにしていただくと実際の大きさになります。

 

物性データのご紹介

産地:インド(タミルナドゥ州)
吸水率:0.142%
圧縮強度:118.42N/m㎡
見掛比重:2.66t/㎡
(日本石材産業協会発行の「墓石用石材規格カタログ」より)

 

細目の石のいいところ

まず見た目に上品できれいです(個人的な主観ですが)。特に加工した部分はとてもシャープな仕上がりになります。

もちろん文字を彫ってもくっきりと仕上がります。文字の底も滑らかに仕上がるので垢抜けたイメージになります。

 

いつも使っていた石がなくなった

当社では細目の石はポルトガルのSPIという石を長年使用してきました。墓石から外柵までとても活躍してくれました。しかし数年前から原石がもう入らなくなってきたと聞いておりました。そんなことから、細目のいい石をいろいろと試した結果、このカラハリに落ち着いたということなのです。

左がSPI、右がカラハリです。

 

これでお墓を建てるのが楽しみです。

このあたりでは、元々大島石が基準の地域ですから、中目の青みのある石が人気があります。しかし庵治石は細目でも人気があります。ということは細目に高いという印象があるのかもしれません。まあ安い石では決してありませんが、まったく手が届かないというレベルの石でもありません。そんな意味ではいい石ですね。

すでに数件のお客様のお墓をこの石でさせていただきましたが、とてもキレイです。また展示品でも置いておりますので、ぜひ現物を見てやってください。

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手水舎の紹介

2020年02月20日 08:00

森田 茂樹
森田 茂樹

代表の森田です。

私は仕事柄、神社仏閣に出向くことが多く、その都度写真もたくさん撮っています。写真と言っても「石畳」や「石階段」「手水舎」などもっぱら石ばかりです。

その中でも特に好きなのが「手水舎」です。

こちらは長谷寺の手水舎です。長方形のシンプルな形で手水舎の中では一番多い形だとと思います。水が足元に掛からないように衝立がついています。

こちらは紀三井寺の手水舎です。蓮の形で作られていて、四方どこからでもお清めが出来るようになっています。この写真のものは石造りですが、粉河寺の手水舎は鋳物でつくられていました。

こちらは四国のあるお寺の戦没者慰霊塔に作られていた手水舎です。手水舎というよりは水鉢のようですね。

私の推測では、もともとは水鉢ではなくて、この上に観音様のような仏像が建っていたか?ご寺院様のお墓(さつまいもの様な形)が建っていたか?その蓮華台部分の中を削り取って水鉢にしたのではないかと思いました。
この様な慰霊碑とか小宮さんとかこんな水鉢も似合うと思います。

お正月前にお清めの作法をテレビでやっていましたのでご紹介します。

左手→右手→左手で口を清めて→左手→尺の柄

この様な手順で清めてください。

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圓教寺の五輪塔

2020年01月27日 08:00

yoshidumi
yoshidumi

本店の義積です。

先日姫路市書写山の圓教寺にお参りに行きました。

書写山は西国三十三所の札所で、山の上にある大きなお寺です。

大講堂の東南の隅に土塀で囲まれた姫路城城主本多家の墓所がありました。お墓は全て五輪塔です。

その全てに家のような囲い(廟屋というそうです。)があり、江戸初期から中期にわたる廟屋の建築として県下でも例のない珍しいものだそうです。

柵があり近くに寄れなかったのですが、遠目に見ても立派な五輪塔でした。

私は、この会社に入り初めて五輪塔を知りました。

丸や三角など合わさった形に不思議なお墓だと思いました。

多くの方がイメージする和墓は江戸時代中期から広がったもので、それ以前の鎌倉時代・室町時代は五輪塔が大半を占めていたそうです。

五輪塔を広めたといわれているのは真言宗の中興の祖「覚鑁(かくばん)上人」といわれています。

高野山を拠点として全国活動をした高野聖でしたが、当時は木製で建てた五輪塔が全国普及のきっかけになりました。

「五輪塔を建立し供養を行うと故人が成仏し、往生できる」という教えを説いたと言われます。

どの時代でも、どのような形でも亡くなった方が成仏を願う気持ちは変わらないですね。

書写山のふもとには早咲きの菜の花畑がひろがっていました。少し早い春の風景に出会えました(*´ω`*)

📷義積

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森田 浩介
森田 浩介

仕入れ担当の森田です。

本日紹介する石はコチラ↓↓↓
JJホワイト.JPG

吉林白(JJホワイト)という石です。

【物性データ】
産地:中国吉林省
吸水率:0.231%
圧縮強度:109.0N/m㎡
見掛比重:2.61t/㎡
(株式会社オクノ調べ)

JJホワイトという呼び名は最近らしく、以前から吉林白と呼ばれていた石です。

この石、かれこれ7~8年前からあったのではと思います。白系の花崗岩としては見た目も品質もとてもいいです。しかし価格もそれなりだったため、いまいちブレイクしていませんでした。

それがG623やG603、G633等の福建省を代表する白系の石の在庫が乏しくなってきて価格は徐々に上昇しています。また品質も不安を感じるようになってきました。

というのは、石は在庫が豊富な時はいい材料から使います。ロスが少ないので生産効率も上がるからです。それが在庫が品薄になってくると品質にも影響が出てくるというわけです。

そんなことで、今、注目されているのがこの吉林白なのです。注目されますとこれが好循環に回ります。需要が増えますので工場もたくさん作ることができ、結果的に価格も下がってきて、ようやく使えるレベルになってきました。

丁場も大きく、最大4mの加工も可能です。大きな外柵で一本物で作りたい方におすすめです。

【カテゴリ】

お墓の展示場

見学会 316日(土)~24日(日) 68日(土)~17日(日)

山南本店久下小学校近く
滝野店JR加古川線滝駅すぐ前
たんば篠山店丹南篠山IC近く