森田石材店ブログ - 石のお話 -

やさとみかげ

2017年11月05日 08:00

森田 浩介
森田 浩介

仕入担当の森田です。

今回は当社で使用しています日本の石をご紹介します。
その名も「やさとみかげ」。漢字で書きますと「八郷みかげ」で「茨城中目石」とも呼ばれます。どんな石かと申しますとこんな石です↓↓↓↓↓
やさとみかげ.jpg
見た目の印象は、大島石より少し目が粗く、淡い青味がある石です。
物性データは以下のとおりです。

見掛け比重 2.659 t/m3 ★★★
吸水率
0.200
圧縮強度
161.32 N/mm2 ★★★★
★は当社独自の5段階評価です。
それなりに吸水はありますが、圧縮強度は抜群です。
さてこの石を当社で使用するのにはワケがあります。それは大きな岩盤で良質な石が採れることです。
次の写真は丁場の写真です。↓↓↓↓↓
やさとみかげ丁場1.jpg
人の大きさから比べても巨大な岩盤が見えています。キズもなく色も均一な丁場から採れる石は、先ほどの物性データに表れる数字よりも私は大事だと思っています。次の写真がそれを切り出している場所です。
やさとみかげ丁場3.jpg
これだけ大きなところから切り出すのですから、どんなサイズにも対応が可能です。大きな鳥居でも作ることができます。
実際に弊社でも、外柵用に大きな石を調達することがあります。それがコレです。
やさとみかげ4.JPG
約4mあります。
さて、こんな「やさとみかげ」を弊社では原石で買っています。そして石塔や外柵を加工しています。
当社に展示してあるセットがコレです。↓↓↓
やさとみかげセット.JPG
これは巻石も石塔も霊標もすべて「やさとみかげ」でつくりました(物置台はちがいますが)。オール国産です。それでいて価格は決して高くはありません。
現在このセットは滝野店と篠山店に展示をしておりますのでいつでもご覧ただけます。

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文字を拓本する

2017年11月01日 08:00

yoshida
yoshida

滝野店の吉田です。

今回は、お墓を整理するにあたって、墓石に刻んであった「辞世の句」の拓本をとって欲しいとの依頼がありました。
画仙紙を用意して、石にテープで貼り付けます。
IMG_2125.JPG
次に、画仙紙に霧吹きにて水を噴きつけ、石に密着させます。
「タンポ」と「墨」を用意して、画仙紙が乾きはじめると、墨をつけたタンポにて画仙紙を石面に対して垂直にポンポンと叩いていきます。
DSCN1616.JPG IMG_2127.JPG
すると彫刻部分の空間が白く残り、字が浮かんできます。
御影石の墓石のように磨いてあれば、もっとはっきりするのですが、凝灰岩の石で年数が経っていて面が均一ではないので、見難いところも多々ありますが、完成です。
お墓に託する表現方法は、時代とともに多様化してきていますが、思い・気持ちの部分は変わっていない様に思いました。

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森田 浩介
森田 浩介

仕入担当の森田です。

先日(10月16日)は雨天の中、愛知県岡崎市の岡崎ストーンフェアへ行ってきました。
例年ですとかなり多くの来場者があるこの展示会ですが、今年は雨の日曜日の午後ということで、混雑なくゆっくり見ることができました。
私が見ていて気になりましたのが、この灯籠です。
171016灯籠.jpg
とある名品を模した作品ですが、とても趣のあるもので気に入りました。たまたま、小さくても品のいい物を探しておりましたので、すぐに目に止まりました。
次に気になったのはこの狛犬です。
171016狛犬.jpg
なかなかの筋肉質な狛犬です。前足を大きく開いて力強く踏ん張っています。作られていたのは石彫の戸松さん、とても良い仕事でした。こんな狛犬が神社の入口で鎮座していると、なかなかの迫力です。こんな狛犬をいつかは納めてみたいです。
さて嗜好が変わりまして、こちらは愛媛県の大島石のサンプルです。
171015大島サンプル.jpg
大島石と申しましても様々な石がありますが、今回出展されていたのは西原石材興業さんです。西原さんといえば、私たち石屋(大島を使っている)では高級材で知られています。そのサンプルです。
何か色目が全部バラバラですよね・・・。
それもそのはず、広い丁場(石を採石するところ)の場所により、石の色目は少しずつ違います。西原さんでは、この色目の違いを何十にも分類して管理されています。つまり、後から部品を補充するときでも限りなく自然に石目が合うための工夫です。さすが高級材ですね。
他にも、機械工具やらCADソフト、果てはセットウの柄(これは「10本買ってきて」と頼まれました)まで色々とあって楽しかったです。

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石材の単位

2017年09月20日 08:00

福島 正弘
福島 正弘
滝野店の福島です。
普段私たちが物の大きさを計測するとき、長さの単位はcmやm、体積は㎥(立法メートル)などが使われています。しかし私ども石材店では、このような単位ではなく昔ながらの長さの単位で寸や尺を使います。さらに石の量(体積)を表す単位が「才(さい)」で数えるのが一般的です(「切(さい)」と表記される地域もありますが意味は同じです)。今回は石の体積の数え方「才」についてご紹介します。
大きい段ボールに入った荷物を受け取ったとき、箱に「才(さい)」と書かれているのを見られたことがありますでしょうか?
私たちは普段、物の体積を計るときには、「ccや「㎥」などを使うのが一般的です。しかし、昔は船の積み荷を量る際に、一辺が1尺として計算をする「尺貫法(しゃっかんほう)」が使われてきました。ちなみに1尺は約30.3cmですが、1辺が1尺で出来た立方体の体積は「1才」という単位で表されます。これの10倍=10才が「1石(こく)」となり、木材や石材のための体積の単位になります。
まとめると、石材の体積は次のような単位で計算されています。
・一辺・・・1尺
・縦1尺✕横1尺✕高さ1尺の立方体=1才(30.3cm✕30.3cm✕30.3cm=27818.127cm3=0.0278㎥)
・10才=1石(1才0・0278✕10=0.287㎥)
ちなみに運送業界では1才を約8kg~10kgと仮定されているようです。石の場合は種類にもよりますが約70~80kgといったところです。
こうして荷物の大きさからだいたいの容積を導き出し、トラックに積み込める質量が計算されているのです。

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ビシャン仕上げ

2017年09月17日 08:00

中道 祥貴
中道 祥貴
本店の中道です。
石の表面の仕上げには何通りかの 仕上げ方法があります。
一般的に墓石の仕上げには本磨き仕上げがほとんどですが、先日ご契約頂いたお客様は、五輪塔を ビシャン仕上げにする事にしました。
ビシャン加工を施すと風合いが柔らかくなり、経年と共に風格を増すような仕上げ方法です。
墓石などの石の加工は、昔と比較して全く変わりました。機械がない昔は、全てを人の手で加工していきました。ビシャンや小タタキ加工は元々その過程でした。
原石のコブを叩いて落とし、ノミ切り、更に、ビシャン叩きをして、小叩き加工で生地を締めていきます。
 ↓ 左 本磨き ・ 右 ビシャン仕上げ のサンプルと道具
 9.17 加工1.jpg
 ↓ 本店に展示 ビシャン加工の 五輪塔
 9.17 加工2.jpg
本磨き仕上げのキレイな鏡面に磨きあげたものとは違い、石本来の持ち味が活きてくる、素朴な叩き仕上げも、味わい深くて良いものですよ。
今から完成を 楽しみにしております。

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石の吸水率って?

2017年09月04日 08:00

山崎 倫子
山崎 倫子

本店の山崎です。

弊社の展示場の値札には、「石の吸水率」を数値で表し、★印で評価しています。
如来型9寸バングレー.jpg
↑こんな感じです。
吸水率とは、石材が水分を吸収する割合を数値で表したものです。簡単に言えば、どれだけ水を吸うか・・・という事です。数値が低いほど、水を吸いにくい石ということになります。
墓石は長年、風雨にさらされた状態で建つことになりますので、水分が抜けないまま長年経過すると「ひび割れ」や「変色」の原因になると言われています。また寒い地域では、凍害などの影響が出る恐れがあります。もちろん、どんな石でも、水を全く吸収しないということはありませんが、出来るだけ吸水率の低い石を選ぶことにより、劣化が起こりにくいといわれています。
もちろん、条件は様々ですので、そこばかりにこだわることはないと思います。ご自分がどこに重きを置くのか・・・色、価格、産地、形など、こだわるポイントは個人によって違ってきますが、気にするポイントの1つとして、展示場へ来られた際には吸水率の★マークも見てくださいね。

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山崎 倫子
山崎 倫子

本店の山崎です。

お盆には皆さんお墓参りに行かれたでしょうか?家族そろって、お参りされた方も多いと思います。私も行ってきました。そこの墓地は、行くたびにどんどんお墓が増え、今回も以前と比べるとデザイン墓が多数増えていました。それに伴って、正面文字も様々・・・「愛」「風」「縁」などなど・・・職業柄、ついつい見入ってしまいました。
また、お墓だけでなくまわりの外柵(囲い)の部分を工夫されているお墓もありました。
今回はその中でも、拝場(手を合わせて拝む場所です)を少し紹介します。墓石の前に、拝石と言う石を置く場合が多くあります。
拝場①.JPG
もちろん、必ず置かなければならないということはありませんので、なくても問題ありません。さらにお墓の拝場が広くとれるという場合、以前にも紹介したように張石施工をしたり、大きな板一枚、さらには数枚を置くといった方法もあります。真ん中の石の板の色に変化をつけるといったものも弊社でも展示しています。
拝場②.JPG
↑こんな感じです。この拝場の石はツルツルで磨いたままの状態です。もちろんこのままでもいいのですが、例えば・・・
拝場③.jpg
このように、砂をあてる部分(ブラスト加工と言います)と磨いた部分を交互に残すといったデザインもあります。
拝場④.jpg
格子模様もオシャレですよね。このようにお墓だけでなく、足元にも少し目を向けてみると、素敵なデザインを見ることができるかもしれませんよ(*^^)v

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森田 浩介
森田 浩介

仕入れ担当の森田です。

さて今回は、ITSUKIデザイン墓石の3つ目のご紹介です。その名も『WaveⅡ』です。
先日ご紹介しましたRaindropとは違い、ちょっとおとなしめです。
itsuki_wave2_02.jpg
随所にエッジが効いていて、なかなか思いつかないですね。
この加工もとても難しいところが満載です。
石を加工するには石屋さんならではのルールが有ります。以前にもご紹介したかもしれませんが、削って形を整えるのはそれなりに出来るのですが、問題は磨くことが出来るかどうかなのです。
平らな面は機械で磨けますのでOKですが、問題は曲線です。曲線にも2種類あり、膨らんでいる形状と凹んでいる形状です。キレイに磨くことが出来るのは膨らんだ方で、凹んだ形は難しいのです。しかもこのお墓は、真正面の一番大事なところが凹んでいるではありませんか!
ということで、今、展示しているものがこれです↓↓↓↓↓↓
itsuki_wave2_tenji.JPG
ちょっと逆光になって残念ですが、結構いいです。
実際に滝野店に展示している商品の中では人気がございます。
使用している石は、
本体:クリスタルブラウン(南アフリカ産)
外柵:M10(インド産)、AG213(中国産)
白い玉砂利はベトナム北部の白大理石の砕石を使用しています。

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700年前のお墓

2017年07月24日 08:00

yoshidumi
yoshidumi

こんにちは、本店の義積です。

前回に引き続き宮城県に行ったお話です。
松島には、円通院というお寺があり、あの伊達正宗の嫡孫(ちゃくそん)光宗の霊廟として、正保4年(1647)瑞巌寺第100世洞水和尚により三慧殿(さんけいでん)が建立され開山されました。
ここは紅葉や縁結びが有名ですが、お寺の奥ばった場所にひっそりとお墓がありました。なぜか大きな洞窟の中にたくさんのお墓が並んでいます。知らなかったのですが、この辺りは洞窟群と言われ、洞窟の中には石像や石碑が建てられ岩にも無数の仏様が彫られていました。これらは今から700年ほど前に彫られたものと推測されているそうです。
大きな洞窟を掘るだけでも大変なのに、このようなお墓がたくさんありました。昔のお墓なので五輪塔などが多かったですが、これもやはり手造りでしょうか?
珍しいので、見ることができて嬉しかったです(^-^)
IMG_4261.JPG
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境内は、一般の方のお墓も当然あります。
あら、お墓が全部黒い石!!
石屋なので、墓石に黒色があるのは知っていました。噂では東北の方は石は黒い石が多い、とも聞いていました。
そういえば車の車窓から見たお墓も黒いのがありました(墓好きなのか、お墓があるとすぐに見てしまいます)。お墓は地域性が強いものですので、他の地域のお墓はとても興味があります。
IMG_4267修正.jpg
冒頭の写真は約700年前のお墓、この写真のお墓は現在のものです。
何年経とうとお墓というものは、その人が生きた証が刻まれているようで、ずっと残っていってほしい風習だと私は思います。

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お墓で音がする

2017年07月18日 08:00

上山 典之
上山 典之

こんにちは、篠山店の上山です。

先日、お客様から「実家のお墓の掃除に行ったらお墓から音がするんですが…」「お宅で建てたお墓では無いんですが…」というお話がありました。

一緒に墓地に行って見ると確かに音がしている、それもお経のような…そして廻りには虫が飛んでいる。それも蜂が…よく見ると蜂が墓石の納骨堂の中へ入っていっている!

蜂の防護対策していなかったのでここで退散。

はち1.JPG

その後、蜂の駆除業者さんと納骨堂を空けてみるとミツバチの巣が!

それも変に綺麗(業者さん曰く、ニホンミツバチの3年物だそうです)。

はち2.JPG

通常は墓石の納骨堂は水鉢で蓋をしているので蜂などが入り込める隙間は無いのですが、横から見ると下の部分に6mm位の隙間がありました。

業者さん曰く「隙間もうチョット広かったらスズメバチが入って全部食べてしまうからこんなことにはならんかったのになぁ」それはそれで可哀相な話ですが。

はち5.JPG

ミツバチの巣はすべて取り除いて傾いている部材も据え直して完了。

はち3.JPGはち4.jpg

はち6.jpg

墓石も年数が経つと繋ぎ目の所が歪んでくる事があります、それを防ぐ為に墓石の下に一枚板(墓石全体を支える一枚物の台石)を据付し傾き、歪みを防ぐ事も出来ます。

はち7.JPG

お盆も近いのでこれからは安心してお参りして頂けることと思います。

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お墓の展示場

見学会 68日(土)~17日(日)

山南本店久下小学校近く
滝野店JR加古川線滝駅すぐ前
たんば篠山店丹南篠山IC近く