森田石材店ブログ - 石のお話 -

四神カロート

2017年07月15日 08:00

山崎 倫子
山崎 倫子

本店の山崎です。

お墓を建立される時に、方角(お墓の向き)を気にされる方もあると思います。
一般的によく、北向きは良くないなどと言われますが、これは迷信です。
とは、言うものの、やはりいざとなると気になってしまいますよね。出来れば、自分の良い方角で建立が出来れば良いのでしょうが、墓地の条件や規約などによって、必ずしもお墓の向きを決めることが出来ない場合もあります。
あまり気にしすぎるのも良くないでしょうが・・・そんな時は、お骨を納めるカロートだけでも、四神のついたものでされてはいかがでしょうか。
四神とは、中国の思想で天の四方の方角を守護する神獣です。
四神.jpg
 
東の青龍(せいりゅう)・・・成功・出世・富を導く
西の白虎(びゃっこ)・・・安産・子宝・商売繁盛
南の朱雀(すざく)・・・幸福・家運繁栄
北の玄武(げんぶ)・・・健康・長寿
などをもたらすと言われています。
日本では、古くからこの思想を様々なところに取り入れてきました。例えば、古墳。中の納骨室は方位が合わされ、壁画には四神を描いたものもあります。
四神にちなんだ事物は他にも数多くあります。
我々に近いところだと、豊岡市にある玄武洞。この玄武洞を含め周りにある洞窟には四神の名前がつけられています。
弊社には、そのそれぞれを象徴する色の石に彫刻し、4枚を組み合わせた 「四神カロート」を取り扱っています。
四神カロート.jpg
これでしたら、お墓の向きとは関係なく、仏様の入る納骨室を理想的な方位で据え付けることができます。
どうしても向きが気になるという方は、一度ご検討ください。

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北木石

2017年06月28日 08:00

山崎 倫子
山崎 倫子

本店 山崎です。

お笑い芸人、千鳥の大悟さんが、田舎出身をネタにしてテレビでよくおもしろおかしく自分の郷土の話をしているのを見ますが、彼の出身は岡山県笠岡市の北木島という島です。
田舎とは言うものの、この島には海水浴や山登りなどアウトドア派の人にとっては、魅力もたくさんあるそうです。
この北木島、実は我々にとってはとてもなじみのある島なんです!
先日も、大悟さんがテレビ番組でこの島のことを「石しかない!」なんて話をしていました。
というのも、弊社でも取り扱っている「北木石」がこの島で採れるのです。
この石の特徴としては、白い緻密な花崗岩で、研磨すると非常に光沢があり、また石に粘りがあるため加工に適しています。また、吸水率が低いため、経年変化も気にならないという特色から大阪城の石垣や靖国神社の鳥居などにも使われています。
大阪城.jpg
弊社が仕入れている取引先も北木島にあり、切削加工から研磨など製造を全て自社工場で対応されています。配達も、運送業者に依頼するのではなく、自らトラックを運転して運んでくださいます。最後まで自らの手で・・・というその気持ちがとてもうれしいです。
そんな工場で作られていますので、加工が非常に丁寧で信頼が出来ます。そんな国産の石もあるという事を、ぜひ知って頂きたいです。
私もまた、機会があれば一度、北木島へ行ってみたいです(^-^)

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大島のセットを入替しました

2017年06月23日 08:00

髙梨 剛
髙梨 剛

滝野店 髙梨です。

このたび滝野店の屋内展示品を新しくしました。内容は8寸角五輪塔・8寸角代々墓石・2.0尺の霊標で愛媛県産の大島石で作成しておりますセットです。
通常は9寸角の代々墓を組にすることが多いのですが、この8寸角同士の組み合わせは見た目、こじんまりとした感じではありますが、五輪塔と代々墓の高さのバランスがよく、また上台と下台の高さが同じですので墓相墓にも適しています。
一度、この逸品をご覧ください。
KIMG0055.jpg

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大阪の和泉石

2017年06月15日 08:00

森田 浩介
森田 浩介
仕入れ担当の森田です。
丹波市柏原町の八幡神社(厄神さんで有名です)には有名な狛犬があります。江戸時代の名工でこの地に由来する丹波佐吉の作品です。
丹波佐吉は、生まれは現在の朝来市竹田あたりで、幼少の頃に柏原町の難波金兵衛の元で育てられました。ただ、難波金兵衛の所に長男が生まれたため、彼は旅の石工として出て行く事になりました(『旅の石工(金森敦子著)』より)。この当時は、石工といえば大阪の和泉が多かったようで、佐吉もそちらで腕をふるっていたようです。ここ柏原にある狛犬も和泉石で出来ています。文献によれば、おそらく狛犬は大阪で作られ、船で運ばれたとされています。
さて和泉石は和泉砂岩とも呼ばれ、砂のように細かく彫刻に最適の石です。特に狛犬のような細やかな細工があるものには多く使われています。
この和泉石ですが、実は今でも採石されています。文化財の復元等で時折使用されています。
色はやや茶色の柔らかめの石(主に石彫刻用)と青みのある石(主に墓石用)の2種類があります。
和泉砂岩.JPG
今になって、この石をお墓に使う理由はあまりありません。この当時は道具が今とは違ったため(昔は鉄のノミ、今はタンガロイという合金のノミ)、加工のしやすいこの石はとても重宝されました。今の石の方が硬く、磨くとツヤもでます。
しかし、今、この石を見るととても美しく見えます。マットな仕上がりは上品です。
この石で作られたお墓を時々見かけます。
最近の石のようにピカッと光るツヤは出ませんが味わいがあります。もしご先祖様がこの石だったら、一度選択肢に入れてもいいかもしれませんね。

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髙梨 剛
髙梨 剛

滝野店の髙梨です。

以前より好意にして頂いているご住職より、あるご依頼を頂きました。
「古い墓石なんだが、倒れて二つに折れてしまっている。教育委員会からも、出来れば維持して欲しいと言われている墓石なので・・・何とかなるやろか?」との事でした。
行ってみると見事に真っ二つですが、笠まで一石で造られた立派な墓石でした。
接着面をきれいに掃除し、二度と外れない2液性のボンドで接着し、目地をきれいに仕上げて完成。見事に復活致しました。
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森田 浩介
森田 浩介
仕入れ担当の森田です。
お墓の石を選ぶのには、どんな基準があるでしょうか?
私のような仕入れの担当をしておりますと、この基準は
1.長く使える石(急に採れなくなったりしない)
2.安定している
3.大きなブロックで採れる石
4・吸水が少ない
5.サビやキズが少ない石(最終の製品にはあってはいけません)
などが挙げられます。もちろん、これに価格とのバランスがあり当社で使う石を決めます。
さて、ではお客様はどのような基準で選べばいいのでしょうか?
当社にも展示場があり、そこには説明書きがあります。
1.産地(国名、国内なら県名)
2.石の名前
3.吸水率、見掛け比重、圧縮強度
4.この石の特徴
などが書いてあります。
もちろん、これを参考にお選びいただくのは一定の基準になります。色もお好みがあればそれがいいと思います。でも何か違うような気もするのです。
先日、こんなことがありました。
お客様が石をご覧になっている時に、産地をチェックされていたのです。その石は「茨城県」「愛媛県」「香川県」でした。しばしスマートフォンで何かを調べてひと言、
「この愛媛県の石に決めました!」
なぜ愛媛県の石になったのか。その理由をお伺いすると
「父が病院で村上水軍の博物館に行きたいと言っていましたので」ということでした。こんな風に石が選べたらいいなあと思いました。
また以前にもこんなことがありました。
中国の黒龍江省の石でしたが、あとから
「父が戦争の時にそこにいたらしいのです」
ということもありました。
最近では、カロート(納骨する場所)の石だけでも国産でされる方が多くなりました。一番大切なところだけでも国産でしたいという方、そこだけは出身地の石を使う方など様々です。
こんなエピソードのある石の選び方も、いいかもしれませんね。

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お墓に十三層塔

2017年04月11日 08:00

髙橋 圭司
髙橋 圭司

本店の高橋です。

これは西脇市黒田庄町にある古い十三層塔です。
その様式から鎌倉時代後期の建立と推測されており、言い伝えでは源氏の流れである木曽義仲(1154~1184)の供養塔であるとの事です。
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皆さんは庭園などに十三層塔が建っているのはよくご存じでしょう。でもそのルーツは意外や供養塔として使われていたようです。
鎌倉時代の高僧 叡尊は供養塔としていくつもの十三層塔を建立しています。
奈良の般若寺、宇治の浮島、兵庫の清盛塚などは石造美術品としても評価の高いものです。お寺の庭にある十三層塔は単なる観賞用としてではなくもっと深い意味があったんですね。
この春 あるお家の古いご先祖様の供養塔として十三層塔をお手伝いさせて頂きました。長年この仕事をしていてもなかなか経験出来ない貴重なお仕事をすることが出来ました。
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大島石の国内加工と中国加工

2017年04月10日 08:00

森田 浩介
森田 浩介

仕入れ担当の森田です。

関西では昔から高級石材とされている大島石。
人気がある故に、とても多くの工場で加工されています。特に2000年以降は中国加工(いわゆる逆輸入)もあります。今回は、そんな大島石のことについてお話します。
大島石の加工には、大きく分けて3種類あります。
①日本の工場で加工されたもの
②日本の業者が石を中国へ輸出し、中国の協力工場で加工したもの
③中国の業者が日本で石を買い、中国の工場で加工したもの
いずれも本物の大島石です。
【日本の工場で加工されたもの】
主に、香川県の庵治産地や岡山県の北木産地が一般的です。もちろん、山に近い愛媛県内でも加工されています。昔から長く取引されている業者が多く、時には価格以上の物が出来ることもあります。そんな時には「このお客さんラッキー」と心のなかで思ったりもします。
国内加工の特徴は、
①採石場に近いため輸送コストが安い
②問題があれば取替えやすい
③研磨工程にこだわりがある事が多い
④蓮華や大入れ加工など、伝統的な形は専門の職人なので美しい
【日本の業者が石を中国へ輸出し、中国の協力工場で加工したもの】
一般的に委託加工と呼ばれます。日本の加工費用に比べて少々安くなります。中国の石材加工技術は高く、特に洋型の特殊な形状や手間のかかる仕事は、日本ですることを考えれば遥かに安価になります。あと、問題があってもすぐに対応できにくいため、材料は大きいものを輸出しています。大きな材料というのは、なかなか採れないため数多くある大島石の丁場の中でも、使用できるものは限られています。石の選定は日本の業者が見定めています。
①大きな材料で安定した石
②特殊な加工は安価に提供できる
③製品レベルは国内加工とほとんど変わらない
④石を選ぶのは日本人
【中国の業者が日本で石を買い、中国の工場で加工したもの】
委託加工の場合とほとんど変わりません。違いは、中国の方が原石を選定することです。彼らも石のプロですから確かな目で選定します。最近の中国企業には資本力がありますから、ドーンと大量に原石を買い付けて自社工場で加工する場合が多いです。
①大きな材料で安定した石
②特殊な加工は最も安価に提供できる
③製品レベルは国内加工とほとんど変わらない
④石を選ぶのは中国人
どの加工をされても、信頼できる石材店からお買い求めになる場合には、心配はありません。注意したいのは出所の分からない石です。流通経路が複雑になればなるほど、出所の分からない石が増えてきます。本当なら使えない石が薬品処理で使われたりすることも、残念ながら無いとはいえません。『お墓選びは石材店選び』からです。本当に信用できる石材店でお買い求め下さい。安すぎるものには必ず理由があります。
当社では大島石を選んでいただく際に、国内加工と中国加工を選んでいただいております。
「やっぱり日本の石は日本人に作ってもらいたい」
「同じ石なら、品質が確かであれば誰が作っても構わない」
など、ご意見は様々です。
私は可能な限り国内加工をおすすめしたいと思っています。中国加工ももちろん心配はありません。ここには表現しづらいですが、細かなことは、やはり国内加工の方が安心できるところがあります。あとは日本の一流の加工技術が継承されなくなってしまうのも困るからです。そんな意味で、あえて国内加工にすることもあります。大島石をお選びになる際には、ぜひ参考になさって下さい。

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六地蔵はなぜ6体?

2017年03月26日 08:00

髙橋 圭司
髙橋 圭司

本店の高橋です。

この春のお彼岸に親類同士8軒の一統様の墓地整備をお手伝いさせて頂きました。
集落の共同墓地には入口に必ず 「六地蔵さん」 があります。
こちらの墓地にも新しく 「六地蔵さん」 をお迎えすることになりました。
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 なぜ六体なのでしょうか?
お釈迦様は人間は死んでからも六つの世界をめぐり続けるという 六道輪廻の世界を説きました。
地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天の六つです。
お墓にお地蔵さまをお迎えしてれぞれの世界を見守ってもらっているのです。 
よく見るとそれぞれ持ち物も様々です。 担当毎の違いでしょうね。
お地蔵様は 水子供養や道祖神などにも登場します。数ある仏様のなかでもスーパースターのようですね。

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稲田石の話

2017年03月25日 08:00

森田 浩介
森田 浩介

仕入れ担当の森田です。

稲田石は日本を代表する白御影石のひとつです。
主に東日本で多く用いられ、東の稲田石、西の北木石と言われていました。
歴史は古く、本格的に採掘・加工され始めたのは明治22年だそうです。
とにかく広く大きい丁場はおそらく日本一のスケールです。
この大きな石の塊から、まるで「豆腐を切る」ように白い大きな原石が切り取られます。
大きな材料が採れるため、昔から建築物や鳥居などに使われてきました。
最高裁判所や東京証券取引所などは特に有名です。
さて、稲田石が固まった時期は、約6000万年前といわれています。
これは大陸で産出する多くの石が数億年前の石が多いことから、とても若く新しい石といえます。
石が若いと劣化をさほど受けていないため、鉱物同士の結合が強く硬い石なのだそうです。
石年齢って大事です。
物性データは
吸水率   0.220%
見掛け比重 2.630t/㎥
圧縮強度  167.48N/m㎡
(墓石用石材規格カタログより)
吸水率と比重は他の墓石と比べても平凡ですが、圧縮強度は非常に高く、とても固い石材といえます。
当社にも稲田石で作られた墓石がございます。↓↓↓↓↓
稲田五輪塔.png
どーんと迫力ある五輪塔です。
叩き仕上げで、稲田石の白さが目を引きます。
これに梵字(ぼんじ)を薬研彫り(やげんぼり)で彫るといい雰囲気になりそうです。

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お墓の展示場

見学会 316日(土)~24日(日) 68日(土)~17日(日)

山南本店久下小学校近く
滝野店JR加古川線滝駅すぐ前
たんば篠山店丹南篠山IC近く