森田石材店ブログ - 神社仏閣 -
お寺にふさわしい永代供養塔
2023年02月21日 09:00
代表の森田です。
今回は菩提寺の永代供養塔を作らせていただきました。
製作するにあたり住職と打合せをする中、弊社で展示をしていた
「茨城県の稲田石で作った手加工(ビシャン仕上)の五輪塔」
を気に入っていただきました。
「ではこの五輪塔をシンボルとした永代供養塔を作りましょう」
と言うことでスタートしました。
私の頭の中には、大和西大寺にある鎌倉時代につくられた「叡尊の五輪塔」が思い浮かんでいました。
大好きな五輪塔で、私は日本で一番美しいと思っています。
さて工事スタートです。
大きな歌碑の隣に建てることになり、先ずは石庭の部分の撤去からです。
庭石・残土を撤去しました。それから基礎工事です。
型枠を組み、鉄筋を這わせて20㎝の厚みでコンクリートを流し込み頑丈な基礎が完成です。
順調に工事が進むと思った矢先、記録的な寒波が来て約20㎝も雪が積もり、境内の雪かきで一日費やしました。
しかし、思わぬことが起こったおかげで、ずっと記憶に残る永代供養塔工事になりました。
これで完成です。石庭も小さくして境内全体に砂利を敷き詰めました。
西大寺の鎌倉型五輪塔をイメージした永代供養塔です。
後ろ側に扉があり納骨ができます。
お寺の境内にとても似合う永代供養塔が完成しました。
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こんな石碑を移転しました
2023年02月01日 08:00
代表の森田です。
昨年、ある自治会の方から石碑を移転してほしいとご依頼がありました。
いつ頃に建てられたものか判りませんが、100年ほど前かなと推測します。
「医王山」と彫ってありますが、旧字体の「醫」が使ってあります。
文字もかなり深く、手彫りの美しさを感じます。
この石碑から300メートルほど先に「瑠璃寺」と言うお寺があります。
お寺の名前には〇〇山〇〇寺と山が付きます。
おそらくここ瑠璃寺さんには、薬師如来がお祀りされているのではと思います。
と言うことで、お寺の敷地内に移転することになりました。
この場所に移設。樹木を2本撤去して、基礎を作ります。
この基礎の上に、舞台の石組(崩れ積み)をして石碑を建立しました。
石組と石碑の間は玉砂利を使って洗い出しにして完成です。
神前灯籠の修繕いろいろ
2023年01月16日 09:00
代表の森田です。
最近、神社の修繕工事などのお話をよくいただきます。
とくに多いのは灯籠の作り直しと修繕です。
関係者の方が一番心配されているのは不慮の事故です。
触るだけで危険な状態になっている物が数多くあります。
この灯籠も「危険・さわるな」と札が掛けられています。
約200年前に建てられたもので、石材も花崗岩ではなく凝灰岩や砂岩で作られていることが大半です。
この灯籠は修復も不可能なため、新しいものに作り替えました。
これで、300年から500年は大丈夫だと思います。
この灯籠は崩れかけていますが、風化が進んでいないので修繕することになりました。
一旦、灯籠を解体し、土台の石積みにコンクリート補強をして据え直しました。
石で作った物は長年の歳月で「コケや錆び」などが付いて趣を感じます。
出来ることなら修繕を第一に考えて、先人が作られた作品として末永く祀っていただきたいと思います。
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石蛙は縁起がいいの?
2022年12月21日 09:00
代表の森田です。
神社でよく大きな石蛙を見られたことはないでしょうか。
世界中で子孫繁栄や豊作の象徴として広く知られる「カエル」たち。
日本では
「無事にカエル」
「福がカエル」
「若ガエル」
など語呂合わせででも親しまれています。
今回お世話になっている神社で、石の蛙を移動してほしいというご依頼がありました。
なんと社務所前で植木に隠れそうになっていました。
この石蛙さん150㎏ほどある大きさなので運搬機に載せて引っ越しました。
移動場所は「本殿の満仲公が祀られている所」です。
石蛙が載る大きさの石を持って来て、三本又にチェーンブロックを吊り下げて
500㎏の台石と石蛙を設置しました。
周囲には、リュウノヒゲを植えて完成です。
お詣りの際は、石蛙の背中を撫でて
「無事にカエル」
「福がカエル」
「若ガエル」
など願ってくださいね。
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丹波佐吉の狛犬
2022年12月06日 08:00
こんにちは、たんば篠山店の上山です。
先日、お隣りの京都府南丹市のお客様とお話をした時のことです。
「森田石材さんは昔の有名な狛犬職人の丹波佐吉っていう人と関係あるんですよね。HPで見ました」
「この近くの魔氣(まけ)神社にある狛犬は丹波佐吉が晩年に手掛けた作品で有名なんですよ」
初代の森田藤四郎は江戸時代末期の名石工、丹波佐吉の孫弟子にあたります。
ルーツ見てきました。
たてがみと尾の形状が独特ですね。
どういう思いで何をイメージして制作していたのでしょうか。
鉄ノミひとつで一打一打、魂込めて作り上げたのでしょう。
この狛犬を見ていて数十年前のことを思い出しました。あるお宅の庭にあった古い大きなカエルの彫物の前足が折れたので新しく作り直したいという依頼があり、破損したカエルを引き取り処分しようとした時に先代の社長から言われた言葉です。
「彫物や形のあるものには魂が宿っとる。簡単に捨てたらアカン」
石工ならでは考えだったのでしょう。
柏原八幡宮「石橋改修工事」
2022年11月15日 09:00
代表の森田です。
柏原八幡宮様の「令和の大修造工事」の一環で、神社入口の石橋を新築させていただきました。
既存の石橋は、所々に穴が空き始めて危険な状態になっていたため改修の運びとなりました。
先ずは、橋を壊す前に「仮設通路」を設置しました。
その後、橋を解体しました。
橋を支えている両端の石積みもかなり老朽化が進んでいて、橋が架かる部分を新しく石積みを行いました。
基礎は、水路部分なので、速乾コンクリートを打ちました。
橋が架かる両端に新しい花崗岩の石積みを5段積み上げました。
柱部分は、基礎から20mmΦのステンレス棒を入れ込んで、幕板もはめ込み加工をして据付
ステンレス製の手摺も設置して完成しました。以前の石橋よりも迫力ある安全な石橋が出来上がりました。
神社の改修工事完成
2022年10月05日 09:00
代表の森田です。
ここ3ヶ月神社の工事内容を紹介しましたが、9月末に何とか完成しました。
9月に入ってから雨が結構多かったので思うように工事が進まず焦りもありましたが、技術部が休み返上で頑張ってくれたお陰で無事に竣工することが出来ました。
先ずは、神田神社(こうだじんじゃ)の紹介です。
最初は写真の状態で、階段の左右もブロック塀、階段の段差も高くて上りにくい状態。夏場は草が伸びて管理も大変でした。
ブロック塀から玉垣に変更して、神社らしくなりました。
また階段もステップ高を16㎝と低く設置し、入口まで石畳の参道にしました。
写真ではわかりませんが、階段の両サイドに水路も設置しています。
以前は手水舎が階段の途中に設置してありましたが、これを階段を登りきったところに移設。
「手水舎が景観にマッチするように」とお施主様のご意向もあり、解体をした石段を使って設置しました。
水が出ている口は立杭焼きで制作。この場所の土も使って焼かれているので、モダンな感じで仕上がりました。
次回は、味淵神社ビフォーアフターをご紹介します。
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広い場所の防草対策
2022年09月14日 09:00
代表の森田です。
神社の改修工事も大詰めを迎えております。
今回は、神社周辺の仕上げをご紹介します。
大半の神社は森の中に作られています。本殿や参道の周囲はたくさんの樹木が茂っていて秋になると落ち葉の掃除も大変です。
よく、草防止に砂利などを使われる事も多いのですが、砂利だと石の隙間に落ち葉が挟まって掃除が困難になります。
そこで今回は「マサファルト」と言う、真砂土(マサ土)を固める工法にしました。
まずは、使用する前に下地作りを行います。
マサファルトを約5㎝で敷きならすために下地を5㎝下で砕石を敷きます。これをランマーで固めた後、マサファルトを敷きならします。
叩きながら敷きならした「マサファルト」に水をかけて仕上がりとなります。
作業は非常に簡単で草防止にもなりますし、落ち葉もホウキで掃くか「ブロワー」で吹き飛ばして掃除をするにも最適です。
難点は、掃除をするたびに表面が多少削れていく事とひび割れが起こりやすい事です。
でも見た感じは土なので自然に溶け込みますし、水が溜まらないので広範囲の施工には最適です。公園などにも良く使用されています。
次回は、完成した神社をご紹介できると思います。
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野面積み
2022年08月26日 09:00
代表の森田です。
只今、大きな神社の改修工事をしているのですが、役員様から
『隣にある「お稲荷さん」をお祀りしている小宮さんを見栄え良く直してほしい』
とのご要望がありました。
周りの石はガタガタになっていて、後ろ側は石も崩れて土が流れ落ちてくる状態でした。
弊社の一番石積みが上手な職人が野面積み工法で土留を作りました。
新しい石は使っていないので、とても自然な仕上がりになりました。
野面積みは規格の石ではないので、センスが問われる仕事です。
積みながら「この石は、ここに使って欲しがってるな」と石と会話しながら積みます。
積むポイントは「四つ角をつくらない」「大きな石と小さな石をバランスよく使う」などなど。
役員様にも大変喜ばれました。