森田石材店ブログ - ちょっと考えてみました -

神様の食べ物

2022年11月14日 08:00

本店事務スタッフ
本店事務スタッフ

こんにちは、本店スタッフです。

先日、祖母の畑の柿を十数年ぶりに収穫しました。

もう手入れをする人もおらず、背が高くなってしまっているので手を伸ばしても届かないところにきれいな柿がたくさんあります。

子供の頃は、竹の先端を割った道具を使って取っていた記憶があるのですが、この日は何も持ってきていなかったので、えいやっとスカートをまくり木に登りました。

その後、収穫した柿を持って祖母の家に行き、その話をすると

「柿の木には神様がいないから登ったらいかんよ」と、3X歳にもなって小学生男子のようなことで注意をされてしまいました。

しかし、なぜ柿の木に神様がいないのか?それが気になって調べました。ですが、真逆の「神様がいるから登ってはいけない」という言い伝えは出てくるのですが「神様がいない」という話はとんと出てきませんでした。

うーん…きっと、うちのおばあちゃんオリジナルなのでしょう。もしくは西脇の一部の地域ではそうなのかもしれません。

この「柿の木神様いない説」を聞いたことあると言う方がおられましたら教えてください。

ほかには「柿の木から落ちると三年後に死ぬ」などとにかく木に登らせないための言い伝えも。

実際、柿の木は枝が折れやすく危険なので登らない方がよいそうですので、皆さまもお気を付けください。

 

さて、柿に対してあまり神聖なイメージがなかったのですが、じつは柿の学名は「Diospyros kaki/ディオスピロス・カキ」 神が与えし食べ物 柿という意味なのです。

これは江戸時代に植物学者のツンベルグさんが日本の植物を調査・採集した際につけられた名前なのですが、お寺や神社に柿の木が多く植えられていたのが由来だと言われています。

 

ということで、いまシーズンの柿をぜひお仏壇にもお供えしましょう。

因みに私、干し柿は食べられるのですが生の柿は食べられません。でも、収穫するのは好きなので来年もチャレンジしようと思います。

その時は神様に一度手を合わせてから取らせて頂こうと思います。

お墓要る?

2022年11月08日 08:00

河合 邦彦
河合 邦彦

滝野店の河合です。

時折、若い世代の方から

「ウチはお墓無いけど、お墓って建てなアカンの?墓じまいや永代とか聞くし、要る?」

と言われます。

勿論、「故人の為にお墓を建てたい!」と仰るかたの方が大勢いらっしゃいます。

色々な供養の形が在りますが、お墓とは何なのでしょうか。

お墓とは、亡くなった家族やご先祖様を納めて、供養していくための物です。

お墓とは「終の棲家(ついのすみか)」なのです。

 

現在、必ずお墓を建てなければならないという法律はありません。

また、どのようなお墓を持つか、あるいはお墓自体持たなければならないかについて、決まりはありません。

 

しかし、お墓が在る事で、お墓の前で手を合わせて、ご先祖様に手を合わせて故人と会話をすることによって、自分自身を省みることができます。

お墓という形のあるものを持つことは、故人のため、自分のため、残された遺族にとって心の拠り所を持つことともいえます。

お墓は亡くなった人を思い供養するための場でありますが、残された人々にとっても心の整理をつけ、いま自分がいることに感謝したり、喜びや悲しみの報告に手を合わせることができる場所です。

 

お墓には、自宅にある仏壇のように毎日手を合わせるというより、お盆やお彼岸などの季節行事や人生の節目にお参りすることが多いでしょう。

お墓は、亡くなった人の終の棲家です。

遺骨を安置する場所としての役割があります。

そのため、お墓は仏壇に比べると非日常的な性質が強く、より「死」と向き合い、故人を身近に感じることができる場所です。

そういった特別な意味を持つお墓で故人に報告や相談事をすることで、忙しい日常生活の中で少し立ち止まって、ゆったりした非日常的な時間を持ち、自分の気持ちを整理したり、励ますことができ、大きな観点から心の成長ができるようになります。

 

また、家族の繋がりを再確認できる場所にもなります。

家族揃ってお参りすることで、家族としての繋がりをより強く感じる事ができます。

墓石は長く在り続けますので、故人がこの世に生きた証としての存在にもなります。

受け継いでいく「拠り所」がそこに在るという事が大事なのでしょうね。

やっぱりお墓は要りますよ!

お骨が眠る大切なところ

2022年10月26日 08:00

上山 典之
上山 典之

こんにちは、たんば篠山店の上山です。

納骨式のお手伝いの時の出来事です。
いつも通り法要の時間前に到着し、墓石納骨堂内を確認したところ???何でしょう、得体の知れないものが???
種類はわかりませんが雑草です。
暗室の為、光合成出来ずに、でも少しずつ生育していたのでしょう。
こちらのお墓は10年位前に寿陵(生前に建てられたお墓)で建立され今回初めての納骨になります。
可能な限り取り除きましたが後々心配です。
普段見えるところは草引き等をしていけますが、何十年も開けないような納骨堂内は墓地の状況にもよりますが、このようになっていることも考えられます。
納骨堂内の水の侵入も困りますが雑草の侵入も同じく困りものです。
お骨が眠る大切なところの点検も必要ですね。
神社の車止め

2022年10月25日 09:00

森田 茂樹
森田 茂樹

代表の森田です。

先月末に神社の改修工事が完成いたしました。

改修工事以前は、階段を上って参道へ繋がっていたのですが、お祭りの準備や神輿が通るのに使い勝手の良いスロープにしました。

しかし、勝手に車が侵入する可能性もあるので、車止めを設置しました。

宮大工さんに檜で作っていただきました。

車止めではありますが、ここから先は心を落ち着かせることも意味されています。

神社全体の雰囲気も趣きがでました。

22才の旅立ち

2022年10月06日 08:00

上山 典之
上山 典之

こんにちは、たんば篠山店の上山です。

お客様から連絡がありました。「納骨をしたいのですが、お手伝いをお願いできますか?」

このお客様は8年前に息子さんを亡くされて、2年前にお墓を建てるお手伝いをしていました。

2年前には「お墓を建ててしまったら息子が遠い所へ行ってしまうような気がして、でもこのままで良いのか」とずっと悩んでおられ、お骨は仏壇でお祀りされていました。

いざ、お墓が完成してもまだ迷われていましたが、「建碑式で家族全員でお墓に巻かれた白布をほどき真っさらのお墓が現れた時、自然と涙が出て無意識にお墓を撫ぜていました。安堵したんです。」

「こんな気持ちになるなんて思いませんでした。不思議でした。これで安心して死ねると思ったのか…私も夫も必ず息子の所に行けると安心したのでしょうか。」その時はそんなお気持ちだったようです。

ご納骨の後にお話伺うと「14歳で亡くなり8年が過ぎました。いま元気でいれば22才になります。同級生の友達だった子供達も大学卒業して社会人として旅立って行く年になって…まだ寂しい気持ちもありますが決めました。」

お骨を骨壺から晒し袋に移し替えて納骨するまでの間ずっと撫ぜておられたのが印象に残っています。

末永くお祀りくださいませ。

森田 浩介
森田 浩介

仕入れ担当の森田です。

最近は円安の影響もあり、輸入品の価格は驚くようなことになっています。

私みたいな立場とすれば、「これは国内でやったほうがいいんじゃない?」と思うこともしばしばございます。

そんな商品のひとつにお地蔵様がございます。

たとえ価格差があっても日本のお地蔵様はいい感じなのに、いまでは割安感すら覚えます。

今日はお地蔵様についてお話したいと思います。

 

 

お地蔵様とは

愛らしい穏やかな表情をされているのがお地蔵様です。

お地蔵様は地蔵菩薩といわれ菩薩様なのです。

菩薩さまとは、有名どころでは観音菩薩、文殊菩薩、弥勒菩薩などおられます。

悟りを求める衆生という意味らしいのですが、ブッダが悟りを開く前の状態としてかなり偉い方にあたります。

そんな菩薩であるお地蔵様は子供の供養によく用いられます。

その理由は有名な賽の河原の話になります。

 

『仏教では、親より先に死んでしまった子供は、

親不孝をした罪となり賽の河原で石を積まなければなりません。

親を思いながら、徳を積むために一つずつ石を積みます。

しかし、その石積みを鬼が崩して邪魔をしてきます。

そこへお地蔵様が現れて子供たちを救ってくれるのだそうです。』

関連記事はこちら

 

いちばん大事なのは顔

お地蔵さんには限りませんが、仏像でいちばん大切なのは顔です。

特にお地蔵様は優しく穏やかな表情がいいですね。見ているこちらも癒やされます。

そして顔はつくり手により特徴が出ます。

 

日本の職人さんの技がすごい

現在、日本のお墓に建っているお地蔵様のかなりの数が中国製品です。

理由は価格が安かったからです。

もちろん技術もそれなりですから、広まるのも当然です。

弊社も例外ではなく、多くの中国製のお地蔵様を納めてきました。

しかし、国産のお地蔵様と比較するとその違いは歴然とあります。

最も大きな違いは仕事の丁寧さです。

日本の職人の仕事は細部まで手が入っています。

上の写真は有名な方の作品です。本当に見ごとな技術です

それは見るだけではなく触ってみると明らかです。

何とも言えない手触りはいい仕事の証です。

また頬の滑らかさ、表情の深さも違います。

 

素材とひと手間

日本の職人さんは実に色んな素材でお地蔵様をつくられます。

たとえば「石んこ地蔵」で有名な平泉さんは、かわいい表情はもちろん独特な色付けをされます。

また和泉石など昔から日本で採れた砂岩質の石で加工されたものは、目が細いので細やかな加工が特徴です。

あと自然の石の肌をそのまま活かした伊達冠石も魅力的です。

 

中国の物価高、円安で差は小さく

冒頭にも申し上げましたが、中国製品と日本製品の価格差のお話をしました。

そしてそれが今ゆらいでいます。

人件費の高騰と円安の影響でその差は縮まってきました。

いよいよ、品質と価格のバランスでは日本製品に軍配が上がると私は思っています。

 

まとめ

今回はお地蔵様について少し書いてみました。

お地蔵様に限らず、灯籠・狛犬・観音様など、どれをとっても日本の技術は素晴らしいと思っています。

もちろん海外の加工も素晴らしいものはたくさんあります。

しかし、私たちが見慣れた感覚のようなものにピタっと当てはまるのは日本の職人さんの仕事が多いように思います。

長らく国産の加工が減っていったこともあり、職人さんの人数も少なくなってきています。

今後もこの技術が継承されますようにと願うばかりです。

古いお墓の文字を読む勉強会

2022年08月30日 08:00

森田 浩介
森田 浩介

仕入れ担当の森田です。

先日、日本石材産業協会の大阪府支部主催の勉強会に参加しました。

 

勉強会のタイトルは、

実践・墓石解読法 ~考古学から見た近世の墓石~

講師は朽木量先生。

千葉商科大学政策情報学部の学部長をされています。

専門は考古学で私たちとは違う観点からお墓を見ておられます。

なかなかのお墓好きぶりで、お話を聞いていてとても楽しかったです。

テレビ大阪の「お墓から見た日本」にご出演もされています。

残念ながら私の住んでいる地域はテレビ大阪が映らないのですが、Youtubeでも見れるようです。

ぜひ見てみようと思います。

 

例えば、「文政四天」と書かれているとします。

この場合「天」は「年」と同じ意味で使われています。

他にも年と同じ意味で使われる漢字はたくさんあります。

「季」「暦」「歳」「稔」「載」「祀」などがあるそうです。

 

お墓では見たことがない漢字に出会うこともしばしばあります。

そんな漢字でも、漢字の部首とつくりが左右逆になっているもの。

上下に並んでいるもの。意味は同じで別の形になっているもの。

つくりだけが外に出たもの。似たような形・・・。

読み方のコツを知っていれば、ある程度のものは読めるなあと思いました。

 

石の年代を調べるのに年号は大切ですが、干支で表現されている場合も多くあります。

そんなときの早見表もいただきました。

明日から古い石造物を見るのが楽しみになってきました。

当日の資料です。

一番右のDVDは別途購入いたしました。

8月27日は仏壇の日

2022年08月25日 08:00

本店事務スタッフ
本店事務スタッフ

こんにちは。本店スタッフです。

みなさんへお送りしているニューズレターの表紙に毎回「今日は何の日」というコーナーを設けており、その月の記念日を探してご紹介しています。

これが、有名すぎると面白みにかけるし、趣味に走り過ぎたりマイナーすぎてもピンとこないですから、いい具合の記念日を探すのに地味に苦労しています。

さて、数ある記念日の中に「仏壇の日」という記念日があります。しかも「毎月27日」ということで、年に12回も。

もともとは3月27日が仏壇の日だったのですが、だんだんと拡大していって毎月になったそうです。

この3月27日が何の日かというと西暦685年3月27日に 天武天皇が「諸國(くにぐに)の家毎に佛舎(ほとけのみや)を作り、即ち佛像と経とを置きて礼拝供養せよ」との詔を出し、これ以来「仏壇」を拝むようになったとされています。

そのことにちなんで制定されました(ただし、その頃は貴族や役人などごく一部の人だけが祀っていて、庶民にも普及するのは江戸時代に幕府が仏教政策を行うようになってからです)

仏壇の日だから、特にこれをしましょう!という決まりはありませんが、普段できていないお掃除をしたりご先祖様を思うきっかけになれば良いなと思います。

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追記。前回のブログで「お盆とうろう」のことをお話しましたが、その後無事入手できました。

他の方の写真ではブドウやナスなど食品のモチーフが多かったのですが、私のところへやってきたものは鐘や手桶などのモチーフばかりでした。

しばらくこうして飾っておこうと思います。

お線香の話

2022年06月08日 09:00

本店事務スタッフ
本店事務スタッフ

こんにちは、本店スタッフです。

以前、このブログでも入荷のお知らせをしました、この変わり種のお線香。

当店で販売しているもの以外にも、最近はとにかく色んな香りのお線香が発売されています。「こんな匂いのお線香があるの?」と驚くこともしばしば。

私が今一番気になっているのは奥野晴明堂さんの松茸の香りのお線香です。

こういった変化球なお線香を見ていてふと思ったのが、例えばアイスクリームやチョコレートだと乳固形分や脂肪分の割合などによって呼び方の定義があります。

「線香」にも何かそういった定義やランク付け(線香と準線香のような…)があるのか、と気になりました。

 

まず、お線香は杉線香匂い線香に分けられます。

杉線香というのは、杉の葉を乾燥させて粉にしたものを練って作られたお線香です。

杉の粉を水だけで練ったものや糊粉が混ざっているものがあります。

基本的に香料はいれないので、自然な杉の香りがします。

特長としては煙がたくさん出るので主にお墓参りでの使用がおすすめです。

我が家は、いつも仏壇で使用している線香を適当に持って行くのであまり煙が出ず「これ、火ついてる?大丈夫?」というやりとりをよくやります。

お墓に眠るおじいちゃん・おばあちゃんも毎回「大丈夫?」と思っているかもしれません。

次のお墓参りには一度杉線香を持って行き、派手に煙を出したいと思います。

因みに、杉といっても使用しているのは「葉」なので花粉症の症状が出る事はありません。ご安心ください。

次に、匂い線香は椨(タブ)という木の樹皮を乾燥させて粉末にしたものを粘結材として使用しています。

そこに白檀や伽羅などの香木や香料を調合して香りが付けられます。

高級なお線香というのは椨が少なく香料がたくさん使われている=匂いが強いということです。

椨そのものは香りが少なく、香料の邪魔をしないと言うのがメリットです。また煙も少なめですので、お部屋での使用に適しています。

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お線香の定義を検索してみた限りでは、この二種類があるということしか出てきませんでした。

つまりは、お線香は全てお線香ということですね。

立花隆さんのお墓

2022年05月25日 08:00

森田 浩介
森田 浩介

仕入れ担当の森田です。

今日はちょっと難しいテーマということで、立花隆さんを肴に書こうと思います。

 

作家の立花隆さんがお亡くなりになって早一年になります。

3万冊読み100冊書いた「知の巨人」と称された人は色んなものに興味が尽きなかったそうです。

その立花さんがテーマに選んだもののひとつに臨死体験があります。

人は死ぬときにどんな体験をするのか、あの世は存在するのか。

正解は誰もわからないのですが、世にいわれている臨死体験は死ぬ間際に脳が見せる作用で、そしてあの世も存在しないと立花さんは結論付けられています。

 

立花さんは自分の死に際して

「死んだらゴミと同じ。だから、戒名も要らない、葬式もしない、お墓も位牌も要らない」

と家族や周囲には伝えていたそうです。

私のような仕事をしていますと、このようなコメントは甚だ悲しいと感じてしまいます。

(写真上)「葬式無用、戒名不要」と遺言に書いた白洲次郎さんのお墓です。

 

著書「死はこわくない」の中に元検事総長の話が出てきます。

彼は病床で

「死んだらゴミと同じ。あの世もなく意識も残らないだろう」

と奧さんに言います。

この時、奧さんは

「あなたのような冷たい考え方はイヤよ。死んでからも残された私たちを見守ってくれなくてはイヤです」

と返します。

この奥さんの気持はすごく自然で、多くの方がこのように感じられるのではないでしょうか。

これはとても死についてよく表している会話だと思います。

 

本人はこれでいいと言う。

見送る側はそれはイヤだと言う。

死んだ人がゴミと同じなら、ゴミとして死後のことを主張するのは少し変な気がします。

ゴミでないなら、その主張は聞いてもいい様な気がします。

ご主人をゴミの様に捨てるのは奥さんの自由で、何かしらの弔いをするのも奥さんの自由です。

結局、死とは本人ではなく弔う側に委ねられているものだということになります。

 

先日、NHKで立花隆さん没後1年の番組がありました。

ご覧になった方も多いと思います。

この番組の最後に立花隆さんの遺骨は樹木葬に眠っていると出てきます。

昨今の樹木葬は、ほぼ小ぶりなお墓です。

ご家族がこの件については故人の言い分を守らずゴミとして扱われていないことにホッとしました。

 

昔は死んだらどうしてほしいとは言いませんでした。

あとのことは子供に任せるのが当たり前だったからです。

それがここ数年に流行った終活で少し大人がおせっかいになってしまったのかもしれません。

死んだ後どうしてほしいと伝えるのは、残された人を一人前と見なしてないようで、実はとてもおこがましいことなのかもしれません。

あとのことはあとの者に安心して任せてみませんか。

お墓の展示場

見学会 68日(土)~17日(日)

山南本店久下小学校近く
滝野店JR加古川線滝駅すぐ前
たんば篠山店丹南篠山IC近く