森田石材店ブログ - 石工のひとりごと -

森田の基礎工事

2018年04月17日 08:00

中道 祥貴
中道 祥貴
本店の中道です。
お墓の外柵(区画)の工事には、一般的には基礎の工事が必要です。不必要な場合や、新たに基礎工事をしない場合もありますが、ほとんどの場合には、鉄筋入りの基礎ベース(コンクリート)をします。
基礎工事には大きく分けると 杭打ち基礎と直接基礎の2種類のに分けられます。杭打ち基礎は名前のごとく、地盤に杭を打ち、その上に基礎のコンクリートをします。直接基礎には 独立基礎・布基礎・ベタ基礎 といった、3種類の施工方法があります。
今回は 森田のベタ基礎がどの様に行われているのか ご案内したいと思います。
まずは 施工前、これから工事が始まります。
4.17基礎 1.JPG
ユンボを使ったり、手作業で掘り方をします。
4.17基礎 2.jpg
根掘りの完成です。
4.17基礎 3.JPG
次に、ランマー(転圧機)を使って 丁寧に地盤を締め固めます。
4.17基礎 4.JPG
充分に締め固まった地盤に、三分鉄筋を敷き詰めます。
4.17基礎 6.JPG
コンクリートを流し込みます。
※中央部分は 納骨堂の位置なので、土の状態を残します。
4.17基礎 7.JPG
ベタ基礎の基礎工事の完成です。
4.17基礎 8.JPG

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表面文字はお墓の顔です。

2018年03月08日 08:00

上山 典之
上山 典之

こんにちは、篠山店の上山です。

弊社では、表面文字は基本的には義積書体を使うことが数多いです。

義積書体と言うのは、亡くなられて数十年になる丹波市の書家の先生で、書かれた文字を彫刻出来る文字に微修正しオリジナル書体として使っております。

  <義積書体>
義積4.JPG義積2.JPG

他には、揮毫(きごう)の文字で岡田書体も使っておりました、この先生も一昨年にお亡くなりになり、もう書いていただく事も出来なくなりました。

<岡田書体>
岡田1.JPG岡田2.JPG
岡田3.JPG

先生は亡くなられても書はお墓として末代まで残る。どちらの書体もお墓の顔として良い文字で自信を持って勧められます。

元工場長の私としては、彫刻文字の彫りの深さにも気を配り満足して頂けるお墓になる事と思います。

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森田 浩介
森田 浩介

仕入れ担当の森田です。

今日は、「何でお墓は昔から大切にされてきたの?」という素朴なテーマについて、私の主観も含めお話したいと思います。ただ、私は宗教者でもなく高尚な人物でもありませんので、ご容赦下さい。
たぶん、亡くなった人を大切にするといいことがある
まず、率直に冒頭のテーマにお答えしようとすると、こんなことになります。
お墓は日本に仏教が入ってくるず~っと前から土着の信仰という形でありました。人間が死者を弔うのはネアンデルタール人からと言われており、日本では縄文時代の遺跡である青森の三内丸山遺跡が有名です。三内丸山遺跡には埋葬の跡(つまりお墓)が残っています。
私も遺跡に訪れたことがありますが、ここではメインストリートとされている道の両側がお墓になっています。毎日、漁に出かけるときに、彼らを見送り出迎える位置にお墓があります。毎日死者の前をわざわざ通る設計になっていたんですね。
きっと太古の昔から、「亡くなった人を大切にするといいことがある」って知っていたのかもしれませんね。
ネアンデルタール人とお墓
考古学者の長澤先生によれば、最古のお墓はシリアのデデリエ洞窟で確認されているそうです。約6万年前のものです。通常であれば、死体は小動物などに食い荒らされてバラバラになるところですが、全身の骨が見つかったということは、穴を掘って埋葬するか、石で囲んでフタをしないかぎりこのような状態は維持できないということで、最古のお墓ではないかと言われています。
このネアンデルタール人、現代人よりも頭の容積が大きく、非常に知能が発達していたと言われています。私の主観ですが、ひょっとすると彼らは、現代の私たちが見えているものや聞こえているものとは別の何かまで察知していたのかもしれません。


お墓と仏教はどうなの?
でも仏教とお墓って密接に関係しているように思いますよね。
人が亡くなったらお葬式をしてもらいます。そして荼毘に付され、お墓に納骨されます。この間のお世話はすべてお坊さんがしてくれます。さらにはその先の法事もすべてお世話になりますので、仏教とお墓は切っても切れない関係ですね。
しかし、もっと古くからの土着信仰なら、実は仏教は関係ないのでは?とも思ってしまいます。それを結びつけるキーワードが「相性が良かった」ということではないでしょうか。

自然に仏教が浸透したのかなあ
仏教では幸せになるためには徳を積むという考え方があります。徳を積むとは、塔を建てる、お経を読む等色々ありますが、最も簡単な方法は先祖供養、つまりお墓参りだったのではないでしょうか。そんな考え方と、昔から死者(ご先祖さま)を大切にしてきた庶民の考え方が自然とマッチして浸透していったとも考えられます。
仏教の教えと古くからの信仰は、おそらく非常に相性が良かったのでしょうね。
実は風水とも相性抜群
大昔の日本にとって中国は最先端の国でした。仏教もしかり、様々な思想が中国よりもたらされました。そして風水もその中に含まれていました。
風水思想では親孝行をとても大事にしています。その親孝行の最たるものが、お墓づくりと墓参りだったのです。京都の町づくりが風水に基づいて作られたというのは有名ですが、風水ではお墓づくり(良い墓地を探すこと)も大きなテーマになっています。
良い場所に建てることで子孫繁栄や家庭の安定につながると考えられています。「お墓は一家の根」という思想ですね。このことからも、日本人のお墓参りの習慣がよくマッチし、大切にされてきたのでしょう。
運が良くなるお墓参り
以上のことからも、日本でお墓を大切にされてきたのがいかに自然なことだったのか分かります。
先日ある著名な方が、
『運の良い状態を継続させるために何かされていますか?』
という質問に対し、
『「お水取り」「親孝行」「お墓参り」の3つは心がけています』
とお答えされていました。
私はこの話を聞いた時にとても嬉しくなりました。日常、科学的なことをされている方でも、こういう方もおられるんですね。でも、日本中の多くの人も、言葉には出さないけれども同じ様な考え方のベースがあって今日までお墓が大切にされてきたのかもしれないですね。
マユツバものかもしれないけれど
といことで、お墓を大切にするときっといいことがあると思えてきました。現代人の私たちは何か理屈がないと納得出来ないことが多いですが、こういうことって目に見えるものでもなく、科学的に証明されているものでもないのでマユツバものになってしまいますが、先人の知恵を借りようとするならば、お墓参りをして損はない気がします。今後も日本の中でお墓を大切にする文化が守られれば運の良い状態がず~っと続くことでしょうね。

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中村 淳
中村 淳
滝野店の中村です。
先日、私がご契約頂いたお客様の開眼式をさせて頂きました。
やはり自分のお客様の開眼式は、ご供養のお手伝いが出来た事の喜びで格別です。
また参列された方々の「よい墓が出来たなあ」というお言葉は、自分のことのように嬉しかったです。
私事で恐縮ですが、父が6年前に他界し墓石を建立しました。
残念ながら、その時は森田石材店を知らずに他の石屋さんでつくりました。
今から思えば「とにかく早くお墓を建てなければ」という思いが強すぎ、少々焦り過ぎたと思っています。
弊社に入社して、弊社の施工したお墓を見れば見るほど「ああすれば良かった、こうすれば良かった」と後悔しております。
それと同時にもう少し業者の方にはアドバイスして欲しかったなとも思いました。
例えば墓石の形について。
ひとくちに和風の墓石と言っても、兵庫県に多い神戸型、大阪に多い大阪型、京都に多い京都型など様々です。
我が家は新宅で、父の実家も他府県にあるので形はあまり関係ないと言えば関係ないのですが、そのような説明は一切ありませんでした。
その他、線香立てや水鉢などの細部においても特に話はなく、石の種類についても説明がありませんでした。
私の勉強不足と言えばそれまでですが、大半の方は当時の私のように墓石に特別な知識もなく、説明がなければ恐らく一生知らないままだと思います。
また建てた後のアフターフォローも無く、「建てたら終わり」といった感じが拭えません。
弊社では「建ててからが本当のおつきあい」です。お墓の保証は10年。保証期間内であれば、ご希望により無料点検も実施しております。
その他お墓を建ててからもずっとお客様のお役に立てるように、ご縁のあったお客様には機関紙「石の上にも三年」をお送りしております。
お墓は本当に一軒一軒違います。そのお家の歴史や想いがよくわかります。判で押したような対応でなく、それぞれのお客様の想いに寄り添ったご提案が出来ればと、自らの体験、また先輩方の仕事を見て痛切に思う今日この頃です。

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聖の社会学

2017年05月19日 08:00

森田 浩介
森田 浩介

仕入れ担当の森田です。

今日は最近読んだ本の中で、「聖の社会学」という本をご紹介します。
著者は勝桂子さんという方。
仏教に精通されており、行政書士として様々なご相談を受けておられます。
聖の社会学.jpg
内容はしっかりと取材されており、今の現状を鋭く分析されています。
きっと今のお寺さんとの関係や仏教ってどうなのとお考えの方には、参考になると思います。
例えば、この中のエピソード。一般市民対象の講演で、
「ご自身の葬儀はどのようにしたいですか?」と尋ねると、
「簡単でいい」「直葬でいい」「かけるお金は最低額でいい」
という意見がほとんどだそうです。
同じ人に「親の葬儀はどうしたいですか?」と尋ねると。
「きちんとしたい」「やれる限りのことをしたい」が大半を占めます。
これは人に頼りづらい世の中になっているということだそうです。自分の家族にも負担を掛けたくない。でも自分は「今までもそうしてきたし、自分が行きている間はそうする」という方が多いようです。後を継ぐ私たち世代から見れば、「死ぬ時ぐらいはお金の心配なく死んで欲しい」と心から思います。
もう一つのエピソードは、母一人子一人で育った娘さんが、お母さんが亡くなり墓じまいをする話がありました。
親戚には、「お寺にはそれなりのことをしないと恥ずかしい」といわれ、葬儀の時も言われるがままにお布施を工面したが、若い彼女にはそれ以上の用立ては難しく、今後のことを考えると、お寺さんのつきあいもお墓の維持も無理だと思っていた。
しかし実際には、お寺さんにすべての事情をお話しするとその状況を理解してくださる場面が多い。この娘さんも救われたという。
著者の勝さんは、こういったお寺さんのことを「聖(ひじり)」としてご紹介されています。こうしてみれば、今の家族構成がもたらす跡継ぎやお墓の継承、最後の看取りなどお寺さんに相談すれば解決することもたくさんあると思います。
私もお寺さんが様々な取組みをされていることを目にすることはあります。本当に真摯に人助けをされている方はたくさんおられます。
ぜひ「敷居が高いから・・・」なんて言わずに、現代の聖に会ってみてください。

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お地蔵さまの修復

2017年05月09日 08:00

森田 茂樹
森田 茂樹

只今、大規模な墓地の改修工事をさせてもらってます。墓地の入り口には必ず「六地蔵さま」がおられます。

六地蔵様は、あの世とこの世の境目におられて現世も来世も守ってくださっています。

さて、この墓地の六地蔵さまには、享保7年と刻まれていたので、約300年前のものです。是非ともこのお地蔵さまを使ってほしいご要望もあり、洗浄と修復を行いました。お地蔵様の光背の頭の部分が破損していた為、同じ石を探して修復しました。

《お地蔵さまの破損部分をカット》
IMG_4482 (3).JPG

《ビスを埋め込んで接着》
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《同じ材質の石を接着》
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《手加工で修正》
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《完成》
IMG_4495 (2).JPG

今は色の違いがはっきりしていますが、年数が経つと近い色合いになるでしょう。

これから100年、200年とあの世とこの世の守り神としてお世話になります。

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晋山式

2017年04月30日 08:00

園中 憲二
園中 憲二
篠山店の園中です。
いつもお世話になっている、お寺のひとつ、篠山市上板井にある弘誓寺(天台宗)さん。
実は、こちらのご住職はいままで通いでした。それがこの春からこちらに定住され、正式にご住職として着任されることになりました。
正式なご住職になる式『晋山式(しんざんしき)』が5月14日に行われます。
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晋山式とは、新たに住職となった僧が、お寺さんや檀家さんを招き、ご本尊様に晋山《「晋」は進む、「山」は寺の意》報告をする儀式です。
この晋山式の日と同じ日に行われるイベントがあります。なんと、”弘誓寺で”ジャズライブ”が開催されます!
Cafe-Take5.jpg
このライブは住職の晋山式(しんざんしき)を兼ねて、1年前のオープンした弘誓寺山門の「カフェ Take5」とコラボしたジャズライブ♪
ピアノと箏と二胡のセッションとのこと。
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檀家さんだけでなく、一般のお客様も入場可能です。
この機会に、ぜひ、お寺にお立ち寄り下さい☆彡

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石材加工パート2

2017年04月23日 08:00

森田 茂樹
森田 茂樹

前回は原石の石を大口径という大きな機械で切断しました。

次に、切削した石の上面の周囲を、「水垂れ」加工をします。これは、石が平だと雨水がたまり水アカがつきやすいことから、このような加工にしています。

IMG_4340.JPG

さらに、この面をすべて磨いて台石は完成です。次に文字が彫刻してある仏石を再研磨します。削る厚みは1~2mmですので彫ってある文字には影響はありません。

これぐらい削ると水アカどはきれいに取れ、ピカピカの面がよみがえります。

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こうして全ての石を再研磨することできれいなお墓がよみがります。

※施行前
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この石を実際に建てたのが下の写真です。お墓を再度建てる時には、地震に強い免震施工を行いました。これで安心です。

※施工後
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今回のお墓のリニューアルは石の磨き直しでしたが、本当に生まれ変わった様になりました。まさに、リボーンですね。

お父様が40年前に作られたお墓を息子さんがメンテナンスをされました。こんなお墓の継承も素晴らしいなと思いました。

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宮沢賢治と石屋さん

2017年04月17日 08:00

森田 浩介
森田 浩介
仕入れ担当の森田です。
先日、研修で「石と賢治のミュージアム」に立ち寄りました。賢治とは宮沢賢治のことです。私は全く不勉強でしたので、彼がこんな風に石に関わっていたことを全く知りませんでした。
宮沢賢治は農業の専門家で特に土壌研究をしていたようです。当時の東北は酸性土壌で気候も厳しかったため土壌の改良が必要だったようです。彼は石灰岩を粉砕して肥料を作る東北砕石工場の社長と意気投合、そこで手伝うことになりました。
宮沢賢治ミュージアム_名刺.jpg
パンフレットに当時の名刺がありました。
商品名は「タンカル(肥料用炭酸石灰)」と命名、精力的に広めようと今で言う営業活動をしていたのかもしれません。
残念ながら、東京出張中に彼は倒れてしまいます。そしてその2年後、病状は回復することなく37才で永眠しました。出張に行ったトランクの中から、あの有名な一節が書かれた手帳が出てきたようです。
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列車の中で書き連ねたのかもしれません。
岩手県にはさほど有名な墓石に使う石はありません。しかし地層が古いため、この石灰岩や鉄鉱石、砂金など鉱物に恵まれています。
詩人だと思っていた宮沢賢治がちょっと近く感じ、昔の名作をもう一度読んでみたくなりました。

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供養の多様化?

2017年04月07日 08:00

森田 茂樹
森田 茂樹

弊社には葬儀会館があります。

そこでいつも葬儀をしておりますが、私がさまざまな葬儀を見ている中では、普通の方が葬送という儀式をないがしろにしているようには全く見えません。

以前よりも、近親者やご近所の方のお別れの仕方については、心のこもったお声がけなどをよく目にします。

こんな光景とは対照的に、よくワイドショーなどで見かける宗教学者が「ゼロ葬」を提唱しています。

「火葬場で拾骨をしなければ勝手に処理してくれるから、遺骨の心配もいらず、あとは何もお金はかからない」だそうです。

そして「高齢者の死は大往生、その死者のために遺族が功徳を積む必要はない」「親子はギブアンドテイク、親が子に受け渡すものが少なくなり恩が減った分、子が孝行する必要もない」というようなことが書かれています。

こんなことを言っている宗教学者がいるのは仕方ない(言論の自由なので)としても、その意見をもてはやすように取り上げるテレビやマスコミが残念でなりません。

さて、今から22万年前に古代ネアンデルタール人は遺体を埋葬していました。

古代人だから知能が低かったかといえば、そうではなく、むしろ今の人間よりも発達していたのではないかとも考えられています。

その根拠として脳の大きさがあります。現代人の脳の容積は1450cc、ネアンデルタール人は1600ccで、人類史上もっとも大きな脳を持っていたようです。その彼らが埋葬を始め、献花をし、石を置いていました。彼らの頭の中ではどのように理解されていたのでしょう。とても興味があります。

世界中でこれに近い習慣は累々と続いています。少なくとも死者を粗末に扱う民俗を私は聞いたことがありません。

一昨年から昨年にかけて「墓じまい」が急速に増えました。テレビの影響が大きかったのだと思いますが、今年に入りその数が減少しているようです。

もちろん仕方なく墓を撤去しなければならない方もおられますが、多くの人が「何かおかしいぞ」とお感じになったのかもしれません。

冒頭に葬儀のお話をしましたが、納骨の際も同様に感じます。凛とした空気の中で、しめやかに納骨されます。時には小さなお子さんも一緒になってされます。

近年、納骨をされている方は、昔よりももっと儀式を大切にされているように見受けられます。葬送のカタチは多様化しているといわれますが、送る気持ちは同じだと私は思います。

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お墓の展示場

見学会 68日(土)~17日(日)

山南本店久下小学校近く
滝野店JR加古川線滝駅すぐ前
たんば篠山店丹南篠山IC近く