篠山店のスタッフです。
経本や御詠歌が収録されたCDをご購入される方が時々いらっしゃいます。そんなものがあるのかと感心していたら、実家の仏壇に経本を唱えてくれる人形があるのを思い出しました。

これは通販で購入した物ですが、南無妙法蓮華経…と経本にあるそのままを同じように唱えてくれます。
男性の低い声で、機械的な声ではないように思うので、どこかのご住職の声が録音されているのか、それともご住職を真似て録音しているのかわかりませんが、この商品を見つけた時、家族みんなで良いものを見つけたと即購入しました。
CDやカセットテープも販売されているので珍しい物ではないようですが、当時はレア商品を見つけた気分でした。
祖母がいた時は、毎朝のおつとめでお茶のお供えと共にお経と木魚の音が聞こえていました。
祖母が亡くなりしばらくは父が率先しておつとめをいましたが、いつの間にかこのご住職人形に代わり、そしてそんな時もいつのまにか終わってしまって…
最近では、この人形の活用頻度が減って、お仏壇の一番上の端の方に追いやられています。が、存在感だけはしっかりあるので、お仏壇に鎮座しています。
我が家は日蓮宗なので、御詠歌というものはありません。
お経といえば南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経と唱えているものしか聞いたことがありませんでした。
でも宗派が違えば、色々な経本がありますね。
御詠歌を初めて聞いたのは母方の祖母が亡くなった時でした。テンポがよく耳に残るようなリズム感で、少し楽しみにしながら通っていたような記憶があります。
あるご住職が「昔は法事といえばおじいさんおばあさんが孫を連れて来てな、その頃は今みたいにスマホやゲームもなく、おじいさんやおばあさんが出かけようとしたら、何処行くん?暇やから自分も行く!みたいな感じで、正月や盆よりも法事で家族親戚がみんな集まっていたわ」
「子供達も行ったらお菓子ももらえるから嬉しそうに来るしな」と懐かしそうにお話されていました。
今は法事といっても、みんなが揃うことは難しいともお話されていました。
そのお話を聞いて、母方の祖母が亡くなった時の事を思い出しました。
初めて聞く御詠歌に、今まで出会ったことのない親戚、
母を小さい時から知っている人たち、初めて母親の顔とは違う母を知る、そんな何とも不思議な気持ちになったのを思い出しました。
親戚が一同に集まったのは、あれが最後だったように思います。
それも20年ぐらい前のことなので、今では本当にみんなが揃うのは難しいように思います。
私が常識で育ってきた事が私の子供達世代では理解されないことも多々ある中で、変化を受け入れながらも大事にしたいと思うものは、形を変えてでも残していけたらいいなと、ご住職のお話を聞きながらそんな事をふと思いました。















