森田石材店ブログ - 神社仏閣 -

山門が動いた。④

2018年08月17日 08:00

髙橋 圭司
髙橋 圭司

本店の高橋です。

4回続いた「山門シリーズ」も遂に最終回となりました。前回元の位置に戻ってきた山門の周りに黒御影石の板石が張りつめられました。

黒御影石の張り石.JPG

山門と既存の階段との間のスペースには白御影石が張られました。そして新しくステンレス製の手すりも設置されました。

白御影石の張り石と手すり.JPGステンレスの手すり.JPG

山門の左右の下部の壁や周囲の植栽も植えられ、以前よりさらにドシッと風格のある山門が現れました。

完成した山門.JPG

そして最後にこれまで無かったお寺の名前が刻まれた標柱が据えられました。もちろん住職様直筆の文字であります。

これから先、何百年もここに建ち続けるものと思われます。大変嬉しいお手伝いができました。

標柱.JPG

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神社の標柱(しめばしら)

2018年08月13日 08:00

森田 茂樹
森田 茂樹

代表の森田です。

みなさま、神社の入口に石門柱を見られたことありますか。この門柱の事を「標柱(しめばしら)」と言います。

全国の神社に建っているわけではなく、瀬戸内の神社に多く見られ、とくに広島県は圧倒的に多いそうです。昨年から1300年記念でお世話になっている石部神社(いそべじんじゃ)様で、標柱を建てることになりました。

幅50センチ×高さ5メートルの大きな柱、重さは3.8トンもあります。

標柱1.JPG

レッカーで吊り上げます。職人さんと比較しても大きさがわかると思います。

標柱3.JPG

完成です。奉納の文字は宮司様の自筆を彫り、一番上には社紋を彫刻しました。

立派な標柱なので、機会があれば見て下さい。

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山門が動いた。③

2018年08月01日 08:00

髙橋 圭司
髙橋 圭司

本店の高橋です。

前回の続きで実際に山門が動く所を見て頂きます。

下の写真のように事前に山門が乗ってくる所の石を設置しておきます。山門の全重量が掛かってきますので、基礎のコンクリートも石自体も丈夫なものが必要です。

山門の敷石.JPG

判りづらいですが、真中にある丸い二つ、後方の四角い二つの敷石に山門の柱が乗ってきます。後方に見えている山門を三本の木製レールにコロを挟んで乗せ、ワイヤーでゆっくりと引っ張ります。

山門のコロ右.JPG

山門のコロ真中.JPG

山門の滑車.JPG

引っ張る機械は山門の後ろ側にあり、山門本体につないでいるワイヤーは一回前方にまわして折り返してきます。そして山門を通り越して後ろ側から引っ張るのです。

山門三本の板.JPG

無事に乗せることができました。事前に据えていた敷石の寸法もピッタリ。重量にも充分耐えているようです。

戻った山門①.JPG

この後、山門をぐるっと囲んでいる巻石の内側に板石を張っていきます。見栄えが全然違います。今から楽しみです。

次回に続く。

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顔を見ながらの石積み

2018年07月30日 08:00

上山 典之
上山 典之

こんにちは、篠山店の上山です。

皆様の所は昨日の台風被害はありませんでしたか?

さて、現在施工中で完成間近の篠山市東部の神社の話をします。

今年では加西市、三田市に続いての工事になります。

左近神社10.jpg

各地で被害のあった昨年10月の台風で御神木である大きな杉の木が倒壊しました。被害は左側の玉垣と石垣と神前灯籠などで幸いと言ってよいのかわかりませんが、上にある本殿、鳥居は被害を免れました。

左近神社20.JPG左近神社22.JPG

崩壊した左部分の石垣の積み直しになります。

石垣と言っても御影石の切石ではなく、昔に山から取り出した自然石の山石です。

左近神社24.JPG左近神社30.JPG

石には、特に自然石には顔(向き)があるといわれます。ひとつひとつ石の顔を見ながら積んでいきます。

ベテランの職人になると石のほうから「この向きで積んでくれ」という合図があるそうです。

左近神社32.JPG左近神社34.JPG

左近神社36.JPG

写真ではわかり難いですが、石垣の勾配は現存の右側の石垣と同じになるように塩ビパイプを曲げて丁張りしています。

左近神社50.JPG左近神社60.JPG

左近神社70.JPG左近神社80.JPG

切石積み以上に手間のかかる石積みであり、最も職人のセンスが現れる石積みです、完成間近です。

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皇太神社竣工式

2018年07月23日 08:00

森田 浩介
森田 浩介

仕入れ担当の森田です。

昨日は三田市広野にございます皇太神社の玉垣改修の竣工式でした。

IMG_9732.JPG

こういったところに来賓という立場でお呼びいただけるのは本当に光栄なことです。また石屋冥利につきます。

式典は厳かに執り行われ、その後、舞とお神楽が披露されました。ひとつの神社の大改修で、このように盛大に行われる様子を見ながら、地域の方々がしっかりと神事を守られているのだなあと感じました。

皇太神社獅子舞.JPG

この神社の前回の大改修は大正9年。今から98年前です。まさに100年に一度の大改修でした。

当初は石積みにするかコンクリートの擁壁にするかの案が出ていました。しかし、コンクリートは50年が限度です。

また、コンクリートは時が経つと古びてきますが、石は時が経てば味が出ます。そんなことをお話しながら、当社の石積みを選んでいただきました。

皇太神社玉串奉奠.JPG

さて、今回、弊社といたしましては、石垣(上段、下段)、玉垣、階段、張石、排水工事、樹木伐採、屋根洗浄、芳名版、狛犬、灯籠と一切合切を任せていただいた大工事でした。

昨年の春から準備に入り、年末に正式契約、そして2月から6月末までかかりました。その間、監督で一切を指揮した杉浦、石積みのリーダーの市位にはとても頑張ってくれました。

本日も区長さんにそのあたりを触れていただきとても嬉しかったです。

皇太神社吉田区長.JPG

また自社でできない部分は、多くの協力業者様にお世話になりました。納期が迫る雨の中、間に合わせていただきたことに感謝いたします。

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山門が動いた。その②

2018年07月16日 08:00

髙橋 圭司
髙橋 圭司

本店の高橋です。

今年の三月にお寺の山門の工事のお話をさせて頂きました。今回はその続きです。

下の写真のように山門のまえにあった階段をいったん解体します。解体した段石は弊社工場へ持ち帰り、割れて使えないものを省いたり、切って寸法を調整したりしました。

山門まえの階段.JPG

新たに階段を積むのですが、当然一番下から積み始めますので位置や高さの微妙な調整が必要です。

階段積み始め.JPG

最初が決まれば後は比較的スムーズな作業となります。

階段積み正面から.JPG

後は両横の「そで石」だけです。既存のものは細かく割れていましたので、弊社在庫の古びた風合いの石材を用意しました。

階段そで石.JPG

「そで石」が入ると階段全体がキリッとしまりました。バッチリです。後はこの山門のご帰還を待ちます。

続く・・・。

帰還待ちの山門.JPG

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眞下 尚利
眞下 尚利

篠山店の眞下(ましも)です。

三田市の大規模な神社修復工事の4回目です。

前回の境内階段のお話の続きで、間知積みです。本堂壁面の石垣を積んでいます。今回は間知石を使用しています。

最近、公共施設等は均等サイズでできた間知ブロックを使っているところを多く見かけます。

しかし、私達とすれば、手間も時間もかかりますが、間知石をオススメしています。

時間が経つと風合いも出てきて、存在感があります。

施工前です。

P1340444.JPG

不揃いの形していますので、まず置いてみます。

P1410429.JPG

飛び出していて、削る箇所に印をつけます。

P1410431.JPG

「コヤスケ」という工具で飛び出していた所を削ります。

P1410432.JPG

ピタッと揃いました。

P1410433.JPG

これを一個ずつ繰り返していきます。気の遠くなる仕事ですが、職人は黙々と仕事を進めてくれました。

2月から始まった修復工事もいよいよ佳境です。

完成が楽しみです。

P1410762.JPGP1410763.JPG

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眞下 尚利
眞下 尚利

篠山店の眞下(ましも)です。


三田市の大規模な神社修復工事の3回目です。
2月から工事が始まり、5ヶ月目に入りました。
前回のブログが4月初旬だったので、この2ヶ月間の進行具合の報告です。

前回ブログの外堀の石垣工事も、まだ少し残っていますが、境内の石垣と階段の工事が進んでいます。
今回は階段工事がほぼ完了したのでその事を書きます。

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工事前はこのような感じでした。

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まず、階段を外して、基礎工事をしました。
そのまま置いてしまうと、時間の経過とともにズレたりする可能性があります。
お墓と同じでコンクリートの土台をして、地盤を強固なものにしていきます。

P1410004.JPG
そして、1段ごとに積んでいきます。

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P1410444.JPG
もちろん、お墓をぐるっと囲む巻石と同じように、石と石の継ぎ目を金具で固定します。

毎日、少しづつですが、当社の職人(社員でもあります)が、完成を目指して頑張っています。
次回は、階段横の間知積みについて書きたいと思います。
見てくださいね。

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熊本城の石垣

2018年05月31日 12:00

yoshida
yoshida

滝野店の吉田です。

一年半ぶりに熊本城に行ってきました。仮設屋根も撤去され、しゃちほこも載せられて復興がすすんでいる様子がうかがえます。
今回は、石垣のお話をさせていただきます。
IMG_2479.JPG
被災当時にテレビなどで報道されましたので覚えていらっしゃる方も多いと思います。写真のように石垣の出角(ですみ)積む方法は、「算木積み」といいまして、直方体に加工した石を交互に積んでいく方法です。400年前の石積み技術が、震度7の地震に耐えていることには驚かされます。
石垣.jpg
また、積み直す石には、番号がついております。「H123 4567」とあれば、 H=本丸 123=石垣の面番号 4567=石の番地 という表記です。全ての復旧には、20年とも30年ともいわれております。一年でも早い復旧を願っています。

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灯籠修繕

2018年04月19日 08:00

眞下 尚利
眞下 尚利

篠山店の眞下(ましも)です。

今回は、3月に灯籠の修繕工事をさせていただいたお話です。
場所は篠山市今田町にある大歳神社です。
先日社長の記事で住吉神社の鳥居修繕がありましたが、この修繕も一緒にご依頼いただきました。
この大歳神社は住吉神社と同じ3つの村が管理している神社で、昨年秋の台風で灯籠が倒れました。
対で灯籠があるのですが、右側の灯籠横にある大木が強風で倒れ、それが灯籠に当りました。
P1390115.JPG
P1390113.JPG
この灯籠は寛政九年(1797年)と台に彫刻されています。
現状を見ますと、一部欠けはありましたが、倒れ方が良かったのか、ダメージは少なかったです。
特にこの火袋が割れていなかったことが幸いでした。
石ではなく、地元の日本六古窯の1つ、丹波立杭焼で作られた火袋です。
この火袋も作られた職人のお名前が記載されています。
村の方々に伺いますと、著名な方で、昭和初期に作成されたのではないかとの事でした。
その方のご子息も現在も窯をされています。
DSCN4886.JPG
ギボシの下の方が割れていました。
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一度すべて解体して、土台から元通りにします。
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地面を転圧して、地盤を締めてから据付します。
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完成です。
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欠けていた部分もつなぎあわせて、元通りになりました
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何でも新しくするのも良いと思いますが、代々守ってきたものを大事にしていくことも大切なことだと感じたお仕事でした。

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お墓の展示場

見学会 68日(土)~17日(日)

山南本店久下小学校近く
滝野店JR加古川線滝駅すぐ前
たんば篠山店丹南篠山IC近く