煩悩まみれの旅。

2025年08月13日 08:00

本店事務スタッフ
本店事務スタッフ

こんにちは、本店スタッフです。

すっかりインドア派になっていた昨年と比べて、2025年は色々アクティブに動いています。

さて、いつものようにSNSを見ているとこんなポストが。

「九州国立博物館所蔵の九相図を展示します」

九相図ってなんだ?と調べると、

死んだ人間がどのように朽ち果てていくのかを9段階に分けて描いた仏教絵画のことでした。

一瞬で「うわー!見に行きたい!」となった私は即・福岡行の新幹線とホテルを予約。初の九州旅行にウキウキしていました。まあ、当日アラームをかけ忘れて2時間遅刻しましたが…。

九州国立博物館(略して九博)の最寄駅は西鉄大宰府駅。

太宰府天満宮の中を通って行きます。今回の旅は社寺仏閣へ行く予定は無かったのですが、せっかくなので帰りはお参りとおみくじを引いてきました。

基本的に見たいもの以外は興味がないので、目的にまっすぐ向かいたかったのですが間違えて同時開催中の別の企画展に入ってしまい「九相図はどこや」とイライラしながら見る羽目に。この腹立たしい気持ちは煩悩でいう「瞋恚(しんい)」です。

でも、昔ハマっていた某刀剣ゲームの刀が展示してあったので、それは写真を撮ってきました。

企画展を抜けて、さてここからが本番。九相図が展示してある階へ向かいます。

結局のところ、ネットでも公開されているので閲覧は可能なのですが、やはり実物を見るのは違う!

髪の毛の繊細さ。肉体の色の変化。死体を喰らう動物の口元に滲んだ血の描写。

生前相や死んだ直後の姿は、いわゆる百人一首のような「THE 平安タッチ」の絵なのに、腐乱が始まると急にリアルになるのが面白いなぁと感じました。

肉の下の筋肉や骨を意識して描いたからでしょうか?

さて、なぜこんな気持ち悪い絵を描くんだと思われた方。

これは「人間は死ねばただの肉塊」ということを僧侶に教え、他人や自分の肉体への執着・煩悩を断ち切るためなのです。

主に男性僧侶に向けて描かれているので、登場するモデルは小野小町や檀林皇后といった美しい女性が大半なんだとか。美しい顔や魅力的な体も、中身は肉・臓物・骨でしかないのです。

確かに、死後体が膨れていくところや動物に食べられているところを詳細に見せられたら、美人だとかそういうのどうでもよくなるかな…。私は好きな人の骨なら見たいのでちょっと分かんないけど。

なら「女の私が見てもなんの教えにもならないな!」ではなくて、多分女性に対しては「どんなに化粧して整形して見た目にこだわっても結局こうなるんやで」というようなことを言われているような気がします。

勿論、人の生き方は様々で何に重きを置くかは自由ですがルッキズムにとらわれ過ぎるのは虚しいのだ、と言われているような気持になりました。

今回私が見たのは、生前相(生前の姿)から始まり骨になった骨相で終わっていましたが、時代や九相観の違いによって9段階も結構バリエーションがあるらしく、墓相や成灰相というお墓が建って終わる・お墓の前で誰かが手を合わせているパターンもあるようです。そこも非常に魅力を感じました。

ちなみに、次の日は佐賀県に行ったのですが戻りの電車で寝てしまって乗り継ぎに失敗。再び新幹線のチケット取り直すはめに…このどうしようもない眠気は「惛沈睡眠(こんじんすいみん)」という煩悩です。。

お墓の展示場

展示会 320日(木・祝)~30日(日)

山南本店久下小学校近く
滝野店JR加古川線滝駅すぐ前
たんば篠山店丹南篠山IC近く