お墓の恩師の死

2018年01月13日 08:00

森田 浩介
森田 浩介
仕入担当の森田です。
先日、私の恩師がお亡くなりになりました。
恩師といっても学生時代の先生ではなく、大人になってから、そしてこの仕事に入ってからの先生です。私にとっては師匠であり、メンターという存在の方でした。
いつもお墓のことをこうして書いておりますが、その根本のお話を教えてくださったのがこの先生だったのです。
教えていただいたことは多岐にわたります。民俗学の基礎から宗教、哲学に至るまで、およそお墓にどう関係するのだろうかというところから、親切に、時に厳しく教えてもらいました。かれこれ10年以上も私は先生に師事してきました。
十人の会ノート.jpg
上記は10年の授業をまとめたノート
初めに教えていただいたのが「石材店の三本柱 心・美・愛」
【心】・・・それは宗教心。お墓には人を合掌させる力がある。そしてその行為を習慣と思っている日本人こそ宗教の達人なのだ。
【美】・・・お墓としてふさわしい本物の美しさ。尊厳性があり、形・加工技術が一流でなければならない。
【愛】・・・石材店の心構え。お墓が大好きで、お墓の良さを知らないといいものは作れない。
さらに、この「美」について、よいお墓の条件とは、
①力強さ
②素朴さ
③おおらかさ
そして宗教的尊厳を失ってはいけないとも。
先月12月の中旬にも先生の講義を受けました。その時は「今日は喉の調子が悪くてすみません」とおっしゃっておりましたが、まさかそれほど体調が悪いとは夢にも思っておりませんでした。その時に
「神様があと2年私に寿命を下さるなら、書き残したい2冊の本がある」とも。
その2冊の本はもう読むことはできませんが、この10年に教えていただいたことの中に全てが注がれているのだろうと思います。
私の心の中にこんなにも大きな存在だったことを、改めて実感しました。
今頃は二十五菩薩来迎図の様に、25人の如来・菩薩がお迎えに来て、観音様の蓮の花の中で移動されていることでしょう。そして浄土で蓮の花から出られた時に、先に逝かれた奥様とお会いになっておられることでしょう。どうか安らかにお眠りください。
阿弥陀来迎図.jpg
知恩院の阿弥陀二十五菩薩来迎図(京都国立博物館HPより)

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