お墓の生まれ変わり

2017年08月05日 08:00

森田 浩介
森田 浩介
仕入れ担当の森田です。
今回は、お墓の生まれ変わりについて、様々な角度から見ていきましょう。
さて、今のお墓は花崗岩(御影石)で作られていますので大変長持ちします。歴史上の石造物を見ても分かる通り、花崗岩で出来たものは700~800年ぼど経過してもキレイな形を保っているものが多く見られます。ただ、長い間には地震や洪水などもあるため、それにより傷んでいるものも多いですが、経年劣化という意味では、花崗岩はとても丈夫な素材といえます。
叡尊五輪塔.JPG
写真は奈良西大寺にある叡尊五輪塔(鎌倉時代のもの)
現在のお墓は、表面を磨いたものが主流です。新品の時はピカっと反射します。昔の磨いていないお墓は汚れてきても「侘び寂び」といいますか味が出てきますが、磨いたお墓はそうはいきません。長く使っている分だけ汚れが目立ちます。特に、近くに新しいお墓が建ったりすると「きれいに見えてもツヤがなくなっているんやなあ」と思います。
ということで、そんな磨いたお墓をキレイに維持するための、そして、生まれかわった様にキレイになるにはどうするのかを解説します。
【建ててから10年目にすること】
お墓の品質保証期間は弊社では10年としております。ちょっと難しい話ですが「屋外の構築物の瑕疵担保責任」というのが法律でありまして、それが10年なのです。ですから、まずこのタイミングで良くないところは直すのがベターです。また墓石の継ぎ目には接着剤が使われています。これをやり直すのも大切です。建ててから15年以上経っているお墓は接着力が弱くなっていることがあり、地震で倒壊するリスクが高くなってきます。これは最近の多くの地震(東日本、熊本等)で明らかになっています。
1.目地の接着(地震対策含む)
2.丁寧な水洗い
墓そうじ(水洗い).JPG
水洗いだけでもかなりキレイになります。
【建ててから20年目にすること】
10年目と同じく接着剤はチェックが必要です。それ以外にも、そろそろ汚れが目立ってくるかもしれません。特に水垢は布で拭いてもなかなか取れません。そんな時は研磨材で擦るとみるみる取れたりします。但し、やり過ぎるとツヤが落ちてしまいますので慎重にします。それから高圧洗浄すればきれいになります。あとは文字や家紋のペイントを塗り直せば気持ちよくなります。
1.目地の接着
2.高圧洗浄や研磨剤を使った水垢とり
3.ペイントの補修
【建ててから40年ぐらい経っていると】
これぐらい経っていると、古くなったなあと感じます。ひと世代25年と考えれば二世代近く経っていることになります。これをもう一度生まれ変わらせたいと思ったら、その方法があります。それは「磨き直す」ことです。
と言いましても、石の表面を全て一皮むく感じです。ですから、寸法がひと回り小さくなります。これをすれば見事に復活します。というかほぼ新品です。
特にオススメなのは庵治石です。感動するぐらい新品に生まれ変わります。
但し、少しだけ注意しないといけないのが、切った面に今までは無かった黒い点(黒雲母のかたまり)が出てくることがあります。これは切ってみないと分かりません。
お墓の磨き直しは少々費用はかかりますが、新品に比べたらかなりリーズナブルです。庵治石や大島石など国産の石材の生まれ変わりには、ぜひご検討下さい。
1.磨き直し
【こんな生まれ変わりも】
新しくお墓を建て替える時、またはお墓を処分してしまう時があります。そんな時、長年使って来たお墓の一部を形見のように残すことがあります。私も経験がありますが、「その欠片をひとつください」と何度も言われたことがあります。
その場で差し上げることもありますが、少々お時間をいただいて、その石で何か置物をお作りすることもあります。玄関先やリビングにさりげなく置けるものから、以前に作ったものは、おばあちゃんの杖に付けられるアクセサリーでした。肌身離さず持っていたいというおばあちゃんに息子さんからのプレゼントでした。
手作り猫.jpg
こんな小さな猫(となりはライター)を作りました。
石はお墓に使用されていた本御影石です。
こう考えると、石は本当に丈夫で長く使える天然素材なのだなあと思います。
お墓の生まれ変わり、いろんな選択肢がありますので、捨てないで大事に使いましょう。

【カテゴリ】

お墓の展示場

見学会 68日(土)~17日(日)

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